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人はなぜ太るのか?【ゲーリー・トーベス】/【岡田 正彦】

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下記の2冊を読みましたので、その簡単な内容紹介と私の感想を書きたいと思います。
タイトルは似ていますが、中身は・・・というと対照的な内容でした。

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1.「人はなぜ太るのか?(そしてどうすればいいか)」 【ゲーリー・トーベス著】(2013年)


【著者紹介】 Gary Taubes

『よいカロリー、悪いカロリー』の著者
カリフォルニア大学公衆衛生バークレー校で健康政策研究の研究員も務める。
科学・薬学・健康に関する記事を雑誌サイエンス、アトランティック、ディスカバー、ニューヨークマガジンなどに執筆。
ハーバード、スタンフォード、コロンビア大学で学ぶ。

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私はこの本に出合えたことに、心から感謝いたします。

著者が前作から10年以上費やしたと言われる通り、
世界中の本やwebを探してもない内容がここにはあります。

私のブログと重なる点も多く、皆さんに紹介したいことが多数あったので、今後も引用させて頂くことになりそうです。

現在、広く普及した「私たちは消費するよりも多くのカロリーを摂取するから太る」
(「入るカロリー/出るカロリー」説)
という考え方がどのような歴史的背景の中で生まれ、反論する研究も数多くあったにもかかわらず、なぜ全世界に広く普及してしまったのか?

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そして専門家が行ってきた、肥満治療(過食をやめさせること、運動をすること)で痩せない事実もあったにも関わらず、それが医学界では常識となってしまった経緯についても説明してあります。

著者自身は、肥満の原因はカロリーではなく『糖質(炭水化物)』であると考えておられ、糖質(炭水化物)制限を推進されています。

しかしその方法のみに固執せず、多方面から深く研究・考察されており、「読者に批判的に読んで欲しい」と言われるように、まだその研究が完璧でないことも示されています。

ともすれば、1世紀近くにわたり『肥満』の根本的な原因が解明されていないことに触れ、多くの肥満研究家のやってきた事が根本的に間違っているかもしれないという可能性まで示唆してあります。

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(著書より引用)
科学の歴史は別の解釈を示している。

人々がこの仮説について1世紀以上考え、何十年も真偽を確認しようと試み、それでもなおそれが真実であると納得させるエビデンス(科学的根拠)が生み出せないとすれば、おそらくそれは真実ではない

(〜略〜)

これは科学の歴史において、一見、理屈に合っていると思われる多くの考えのうち、一度も成功しなかったものの1つである
そしてすべてを再考し、どうすれば体重を減らすことができるのかを見つけ出さなくてはならない。
(引用以上)

この本には多くの可能性を感じました。



2.「人はなぜ太るのか?(肥満を科学する)」 【岡田 正彦】(2006年)


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【著者紹介】
新潟大学医学部卒業
同大学医学部教授、医学博士
米国学会誌などでの編集委員、学会誌『生体医工学』編集長など務める


この本は、現在の医学の常識として分かっている範囲で、『肥満』についてわかりやすくまとめられていました。(肥満の測定方法、肥満にまつわる病気、痩せ方etc)

著者自身が、
「多くのダイエット本とは一線を画し、学術論文と同じくらいに、間違いなく役に立つ情報をまとめた」と言われる通り、幅広い知識を得ることができ、読みやすい本でした。

内容は、今の常識がそうなっているように
『カロリーの摂り過ぎ・食べ過ぎ』・『運動不足』が太るんだ、という考えに基づいて書かれています。

もちろん、グリセミック指数や褐色脂肪細胞、肥満遺伝子、ホルモン(レプチン、インシュリン等)などのカロリー以外の原因についても幅広く説明してあります。

しかし、『人はなぜ太るのか?』という核心部分には触れていないと思いました。

脂質(脂肪)を食事で摂って、それが体脂肪になる過程は書いてあるが、ではなぜ私が太って、あの人は太らないのか(逆に、あの人が太って私は太れないのか)?という違いは説明されていないと思いました。

著者自身、「肥満には食事の影響(生活習慣)はもちろん、遺伝的な体質も大いに関係している。肥満は両者があいまって起こるものなのだ」

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と言われる通り、過食やカロリーで説明できないことは『遺伝的な体質だ』と言ってしまえば、誰も反論することはできない。

しかし私が思うのは、カロリー神話を疑いもしない、そういう曖昧な考え方こそが間違った常識を根付かせているのだと思います。


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