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糖質(糖、炭水化物)

糖質制限(炭水化物抜き)賛成派 VS 反対派の言い分

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【関連記事】→「いま話題のロカボ。その原点(糖質制限)は昔からあった」

古くから糖質制限食(炭水化物抜き)をめぐっては、意見が対立してきました。
それは、カロリーが太る原因なのか、それとも糖質(主に炭水化物)が太る原因なのか?
ということだと思います。

そこで、糖質制限食の賛成派と反対派の意見をまとめました。
その理論は、今となっては少し古いものも含まれますが、過去の経緯としてご覧ください。

1.糖質制限反対派の意見(まとめ)


(参考文献:「本当は怖い糖質制限」 岡本卓 著)

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<2001年アメリカ>
アメリカ心臓協会が、国際的に評価の高い医学誌の中で、「今日あまりにポピュラーとなった低糖質・高たんぱく質食について反対を表明し、強い警告を発する」と公表した。
その理由は、「肉や脂肪などに偏った糖質制限食ではビタミンなどのミネラルが不足し、結果として心臓、腎臓、骨、肝臓に由々しき問題を抱えることになる」と強調している。

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■反対派の主な意見

(1)糖質制限に対するオフィシャルな定義(糖質をどこまで抑えれば良いか)、ガイドラインが示されていないうえ、長期的に糖質制限を行った場合の体への影響に対する科学的データはほとんどない。

(2)糖質以外なら、肉や脂肪をたくさん食べて良いという糖質制限食は、カロリーの原則に反する。

(3)糖質制限食は高脂質食でもあるため、コレステロール値を上げて、心筋梗塞や脳卒中などの心血管病を引き起こすだろう。(2012年、アテネ大学etc)

(4)ミネラル・微量元素不足を引き起こす。タンパク質を多く摂ると、腎臓からのカルシウム排泄が増え、骨粗しょう症になりやすい。

(5)厳格な血糖コントロールは低血糖のリスクを高め、死亡率を上昇させる。
血糖コントロールはほどほどが良い
。(2008年、アメリカ国立衛生研究所)

(6)低血糖がうつ病・認知症のリスクを高める。

日本では、2012年に第55回糖尿病会で糖質制限食を食事療法の一つのオプションとして認めるという画期的なものだったが(糖質1日最低130gは摂る)、

2013年には従来のカロリー制限食優先に戻り、糖質制限食については安全性などの確保の面から勧められないとのスタンスに変わった。(「本当は怖い糖質制限」(2013年)より)
(引用以上)


2.賛成派の意見(まとめ)


(参考文献:「人はなぜ太るのか?」 ゲーリー・トーベス著)

(1)人類の歴史上、炭水化物(穀物)を食べているのは僅かで、それまでは主に肉や脂身、野菜で生活していた。

(2)カロリー制限食では均等にカロリーを減らすか、脂肪からのカロリーを優先的に減らすことになる。
これは太ることのない脂肪やタンパク質を減らし、太りやすい炭水化物を相対的に多く食べることとなる。この食事法はあまり効果がなく、常に空腹がつきまとう。

(3)食事に炭水化物がなくても、肉や脂肪をとっているから脳の栄養源として「ケトン体」を燃料とすることができる。

(4)摂取する脂肪(脂質)=『体脂肪』ではない。低脂肪・高炭水化物食が公式に承認されたことで、心臓病の発症は減るどころか、肥満や糖尿病はむしろ増えている

(5)野菜やチーズ・魚・肉などは制限していないので、ミネラルなどが不足することはない
カロリー制限食の方が均等にカロリーを減らすとすれば、すべての必須栄養素も減ることとなる。

(6)カロリー制限食も、体重減少に関する明確なエビデンス(科学的根拠)がないのに、なぜ糖質制限食のみに厳格なエビデンスを求めるのか。


3.糖質制限の欠点を補うロカボ


(「糖質制限の真実-日本人を救う革命的食事法 ロカボのすべて-」山田悟著より引用)

ロカボでは、1日あたりの糖質量を70〜130gに抑えて食べる食事法です。
(1食あたりの糖質量を20〜40gにし(×3食)、間食で10g)

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【食事の幅が広がった・続けられる】
現在の日本人は平均的に、1日では270〜300gの糖質を食べていますので、ロカボではその半分弱に抑えるという感覚になります。
つまり、緩やかな糖質制限であるということです。
これにより、食べられるものの幅はぐんと広まり、美味しく楽しく食べて健康になれる食事法と言えます。

また、糖質を食べるのをやめるのではなく、いかに上手に食べるかという考え方がベースにあります。低糖質な素材でつくったパンやパスタ、うどんなどのロカボメニューもあります。
基本的に食べてはいけないものがないうえに、満腹になってもいいので続けやすいのです。

【ダイエットのみなら緩く】
例えば糖尿病の患者が治療としてやる場合は、やはり糖質の制限値にはある程度こだわった方が有効性は高くなります。
その一方、健康増進やダイエット、美容として取り入れたいという健常者に関しては、制限値に厳密にこだわらなくてもいいと思います。たまに高糖質なものを食べる日があっても、それまでの努力が全く無になることは起こりません。

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【ケトン体が出るのを防ぐ】
普通の糖質制限と違うのは、最低でも1食あたり20g以上の糖質を摂ることで、
ケトン体が出るような極端な低糖質状態を防いでいます。
極端な糖質制限のリスクが示唆されている以上、まだ積極的にやるべきではないというのが私(山田医師)のスタンスです。

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【エビデンスレベル1での証明】
歴史の中で、糖質制限はエビデンスレベル4(症例報告)だけで世の中に広まってしまったので、糖質制限食事法は叩かれ、信頼を築くことができず、民間療法の扱いに留まっていました。

しかし、2007年〜2008年にかけてのエビデンスレベル1(無作為比較試験)の論文により、
「カロリーは気にせず、糖質のみを控える(1日あたり120g以下に設定)」という食事法が
「カロリーや油を控える」食事法よりも
肥満、血糖管理、血液中の脂質の改善に有効であるということが証明されたのです。

つまり、民間療法扱いから確固たる根拠のある食事法とかわったのです。


4.制限ではなく、与えること(私の考え)


肥満や糖尿病等の治療において、『カロリー制限』による食事療法には効果がないことが実証されつつあります。

(私のブログでも、太る原因は”カロリーの絶対量ではない”というのが一貫したテーマです。)

だからと言って、
『炭水化物は人類を滅ぼす』と言うような厳格な糖質制限にも賛成はできません。

糖質(炭水化物)は私達の貴重なエネルギー源であることには変わりないし、
そこは医者などが言うようにバランスに一理あると思います。

糖質制限を勧める専門家は、"糖質が太る原因である"
それ以外の肉や脂質は”太る原因でないから食べて良い”という考えのようですが、
私はその理由とも違うからです。

私の場合、太る原因は糖質ではなく、
精製された炭水化物(デンプン)と偏食により作られやすくなる、腸の『飢餓状態』です(これも一貫したテーマ)

つまり炭水化物(デンプン)が直接的ではなく、間接的に飢餓状態を作りやすくし、肥満に寄与しているということです。

なぜ糖質制限食がカロリーを気にせず、おかず(肉・魚、油脂、野菜など)をたっぷり食べて痩せることができたのか?

糖質制限の本質は、間接的に(炭水化物以外の)副食を増やすことにあると考えます。
(別ブログで詳しく書きます)

原因が間接的だから、その対処法も間接的という訳です。

依然としてダイエットといえば、”カロリーを控える / 糖質(炭水化物)を少なめにする”

など『制限』することが当たり前とされます。

当然、カロリーを控えようとすると、糖質(炭水化物)も少なくなります。

それだと、昼食をおにぎりのみで済ましたり、ハンバーガー1個で済ましたり、
朝食や昼食を抜いたりしがちです。

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これでは、実は上手くいかないのです(大半の人は未だにこの様なダイエットをしている)。

一定の法則に従い『食べる』(=与える)ことで痩せることが可能という、

私なりの考えを今後も書いていきます。

➡そういう視点でみると、賛成派と反対派の主張は、

【カロリー VS 糖質(炭水化物)】という対立の構図ではなく、

(カロリー制限は、炭水化物などの糖質も控えますから)

【食事制限 VS 食べるダイエット】の構図とも言えます。




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