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食べ方(時間栄養、速さ、回数)

2018.11.03

早食いは太るのか? ゆっくり食べると痩せるのか?

目次

  <はじめに>
1.イメージが先行している
2.体が大きいから速く食べれる(原因と結果が逆転)
3.速く食べるような人の『生活習慣』全般が問題だ
4.ゆっくり噛んで食べると痩せるのか?
5.もう一つの推論
<最後に>

余談ですが、「早食い/速食い」 のどちらが正しいのでしょうか?
食べるスピードだから、「速食い」かなと思ってたのですが、慣例的に【ハヤ〇〇】というのは【早】になることが多いらしいです。
しかし、「食べるのが早い」「早く食べる」というと、「食べる時刻が早い」という意味になるので、この場合は「食べるのがい」「速く食べる」を使わせて頂きますね!

はじめに

数名の読者から、「食べるのが速い人が太りやすい、と言われているのはどう説明するのですか?」という問合せのメールを頂いたので、それにお答えしたいと思います。
実のところ、食べるスピードと肥満の関係を説明するのは難しいと感じます。
私の理論上(腸内飢餓のメカニズム)では、速く食べると消化が悪くなるので、太ることへは直結はしません。
そこで、私なりにいくつかのパターンに分けて考えてみたいと思います。

1.イメージが先行している

まず言いたいのは、カロリーの時もそうなんだけど、一部の人のイメージだけで「全体」が語られているということです。
食べるのが速くても痩せている人もいるし、食べるのがゆっくりでも太っている人もいるはずだ。しかし何割かの食べるのが速くて、太っている人のイメージ(特に男性)で、「早食い=太る」というように認識されている気がするのです。
確かに、そういう人が多いのも事実だけど、それがなぜ起こるのかも含めて考えなければいけないと思う。

▽まず一般的には、”満腹感が訪れる前に食べ過ぎてしまうから” というのが1つの理由とされています(結局、「食べすぎ・カロリー」という考え)。しかし、いつも満腹を超えるまで食べている訳ではないと思うし、むしろ私のイメージでは、”さっと食べ終えて他の事(遊び、仕事)をしている” というイメージだ。

また ”速く食べると血糖値が急激に上がり、インスリンが多く分泌される” などとも言われていますが、今回はその話には触れないこととします。(いずれ反論したいが)

大きくは、次の2つのパターンで説明できると考えます。
(1)原因と結果が逆になっている場合
(2)食べるのが速い人の "嗜好生活習慣" 全般が影響を与える

2.体が大きいから速く食べれる(原因と結果が逆転)

まず食事の量や回数もそうなんですが、体の大きな人/太っている人に沢山食べる人や、食べるのが速い人が多くいたとしても、それは表面的な見た目の観察でしかないのです。あなたの目の前にいる体の大きな人(太った人)が速く食べた・・・それって、太陽が「東から昇って、西に沈んだ」と言っているのと同じではありませんか?

実際は、地球が逆に回っているのです。

つまり体が大きいから、胃腸も大きく丈夫であるから、多く食べれるし、速く食べれるのではないでしょうか?その人達は、朝食も食べてないかもしれないし、ずっと空腹状態を我慢していたかもしれない。そうであれば、とりあえず速く食べたい、お腹一杯になりたいと思うのも当然です。

依然、芸人のウガンダさんが「カレーライスは飲み物だ」と言っていたけど、それこそ胃腸や消化力が強いからできる芸当だと思います。つまり原因と結果が逆転しています(逆因果

繰り返しになりますが、(「人はなぜ太るのか」ゲーリー・トーベス著より引用)
「過食が原因で肥満になる、あるいは過食の結果で肥満になるという専門家たち(大部分だが)は、高校の理系クラスで落第点を取るようなレベルの間違いを犯している。彼らは、私達がなぜ太るのかについて全く何も語らない自然の法則と、私たちが実際に太っている場合におきる現象(過食)を取り上げ、語るべきすべての内容を語っていると思い込んでいる。」(以上)

【関連記事】→「太った後に、過食し運動しなくなった(怠慢になった)」

3.速く食べるような人の 『生活習慣』 全般が問題だ

次に、速く食べることが肥満に結びつくケースです。
しかし速く食べる事が直接的に太る原因となるのではなく、速く食べるような人の 嗜好生活習慣そのものが肥満に結びつくと考えます。これは、私のもつイメージですが、食べることに執着心があまりない人が多いのではないでしょうか? 例えば・・・
・面倒くさい、早く食べ終えたい
・栄養バランスに少し無頓着で、とりあえず空腹が満たされればいい
・お腹が減ってたら食べるけど、時間通りにきちっと食べる訳ではない
・貰えた物は断らない(美味しそうに食べる)けど、食べ物がなければないで我慢している

つまりそういう人達は、栄養管理してくれる人がいなければ周りの環境に影響されます。
朝食を抜いたり、夜の食事が遅くになったり、生活リズムが乱れがちになるのではと感じます。
つまり『時間』の概念ですね。

■また早くお腹が一杯になりたいために、味わって食べることが少ないのではないでしょうか?
ご飯の他に主菜・副菜、味噌汁などがつく日本の伝統的な食事よりも、すばやく食べれる丼ぶり・ラーメン・カレー・うどんなどの炭水化物の多い食事や、ハンバーグ・から揚げ・ソーセージ・フライなどの食べやすいお肉を選ぶのではないでしょうか?(いわゆる「早い、安い、旨い」

噛まないから太るのではなく、噛まなくてもいいような柔らかいもの、繊維質の少ないものを食べているのではと推察するのです。(速く食べる人ほど、食物繊維摂取量が少ないという研究結果もあるようです。)
つまり食べ物の『』ですね。そして、『質』『時間』が組み合わされば、私の言う『腸内飢餓』状態もできやすくなってしまいます。

ヒジキ

それとは逆に、豆、海藻、キノコ、ゴボウなど繊維質の多い野菜、骨付き肉、尾頭付きの焼き魚・煮付けなどを食べれば必然的にゆっくり食べるのではないでしょうか?

季節の食材を少しづつ味わって食べれば、深い味を感じることができるので、自然とおかずファースト、ご飯は後になるのではないでしょうか?

4.ゆっくり噛んで食べると痩せるのか?

肥満や糖尿病を防ぐには、”ゆっくり噛んで食べることが必要” と言われています。しかし、「速さ」だけがクローズアップされた事による明らかな間違いが、「ゆっくり噛んで食べると太りにくい」という一部の人の思い込みです。

私がこれまで会った中で、昼食におにぎり(2個くらい)とダイエット系のお茶をよ~く噛んで20~30分かけて食べている女性が2人いました。

2人とも太っていたので、”ゆっくり噛んで食べたほうが太りにくい” と思ってそうしていたのだろうけど、その効果はあっただろうかと想像しますね・・・。

私の理論上で言うと、炭水化物だけをゆっくり噛んで食べても、痩せることはないと断言できます(逆に太りやすい)。

『よく噛んでゆっくり食べる』というのは、噛まないといけないような食材を食べるということであり、普段からそういう食べ方をしている人に痩せ習慣の人が多いという事だと思う。

また『食べ順』があるということは、主菜(メインのおかず)の他に副菜が2種以上あるとか、いろんなおかずを食べるという事です。日本でも昔から 三角食べ が健康のためにもいいと言われていますよね。

牛丼、カレー、ラーメン、ハンバーガー&ポテトなどの食事なら食べ順もないし、それを50回以上噛んで食べて水分で流し込み、1日完全2食になれば太りやすくなると想像できる。

5.もう一つの推論

”速く食べる” ことが肥満に結びつく理由として、私の『腸内飢餓』の理論でもう一つ考えられることがあります。あくまで私のちょっとした経験に基づいた推測の域を超えないのですが、紹介したいと思います。

例えば、朝食抜きで昼食を摂るなど、12時間以上食べていない時に起こりうるかもしれません。
御飯とおかずを食べる時に、よく噛むと食べ物が混ざり過ぎてしまい、腸に送られた時に十分にミックスされた状態です。しかし、あまり噛まなければ、一時的に炭水化物と水分のみが腸の表面などに進み、腸内がすべて消化されたような瞬間的な飢餓状態ができるのではということです。

最後に

”食べる速さ” だけを議論している人達に言いたい。
食べる速さは様々な病気にも関係してくると言われているけど、単なるスピードの問題ではなく、必ず食べ物の『』と切っては切り離せないと考えます。昔の伝統的な食が崩壊し、忙しい現代人が手っ取り早く食べれるような食事(早い、安い、旨い)ばかりが街中に溢れていることが一番の問題だと思う。

そういう食事は血糖値が上がりやすいだけでなく、輸入野菜(除草剤、殺虫剤)、食品添加物、ホルモン剤なども多く、いろんな面から健康を害している。

私の実家は農家で、父が手作りの野菜・旬の食材を食べさせてくれたし、26才から日本料理店で修行していたから分かるけど、もっと日本料理は幅が広く、奥行きが深く、食べる楽しみを与えてくれるものだと思う。
今や日本料理は金持ちだけの料理になってしまって、庶民レベルでは『日本食』は崩壊しつつあるのではないだろうか?(例:朝はパン、昼はパスタ、夜はカレーなど)

地方が廃れて農村から若者がいなくなり、伝統野菜の作り手もいなくなって郷土料理・伝統的な加工食品も消えつつある。若い人がそういった昔からの料理を消費しなければ、この国の農業はいずれ崩壊し、益々、日本の食文化はどこかに行ってしまうのではなかろうか?

”輸入農産物は安いからいい” と思っている人は、もっと高いツケを支払うことになるし、病気にかかる人が増えれば医療費も税金も増え、それは私達にとっても他人事ではない問題である。
そういった、日本の抱える社会全体の問題とも関連があるのではないだろうか?

2018.09.02

食事回数は肥満にどう影響するのか?

目次

  1. "食べる回数" で何が変わるの?
  2. 一日何食が一番太るのか?
  3. 回数を増やすことで痩せれる?
  4. 原因と結果が逆になる時

1."食べる回数" で何が変わるの?

「カロリーの合計が同じなら、食事の回数は関係がない」という専門家もおられますが、私は間違いなく「食べるタイミングや回数は影響する」と断言します。
確かに、カロリーや糖質の摂取量の合計のみが肥満の直接的な原因であるとしたら回数はあまり関係ないのかもしれませんが、私の理論はそれとは違うことは何度も説明している通りです。

▽私は、"太る" という言葉には2つの意味があると言いましたが、まず(a)の部分について説明します。(図参照)

【関連記事】→ ”太る”という言葉の2つの意味

基本体重(Base Weight)そのものがアップするのは空腹(厳密には腸内飢餓)のメカニズムですので、分散して食べるほうが太りにくい傾向にあります。
お腹がすいてきたな~という時に、また胃に食べ物が入ってくるわけですから、胃腸の中には未消化物が残りやすくなる訳です。なので、”太りたい” という人が1日4回、5回食べることはかえって逆効果です。
また "痩せたい" という人が、カロリーを控えるために昼食を抜いたり、朝食を抜いたりして空腹を我慢し、1日2食になるのも逆効果になる可能性が高いと言えます。

(b)の部分について言うと、回数に関係なく、「多く食べると太る」というのは確かかもしれません。
普段ダイエットして空腹を我慢している人は、おやつを食べたりして回数が増えれば一時的に太るかもしれません。それゆえ、また食事を抜いたりして、間違ったダイエットが繰り返されてしまいます。

2.1日何食が一番太るのか?

朝食を抜いたりして、1日2食になると太りやすくなる傾向があるというのは上述した通りです。しかし、1日2食にすると全員が太る訳ではないし、3食・4食にすると全員が痩せる訳ではないです。
回数だけで議論することは無意味です。

飢餓メカニズムの観点から説明すると、食事回数というのは ”食事の間隔” に関わる話であって、それだけで決まる訳ではないのです。
・何を食べるのか?(一番重要な要素)
・どの様に食べるのか?(食べるスピード、噛む回数、水分量)
・回数は同じでも、どのタイミングで食べるのか?

など、他の要因が関わってきます。また全く同じ食事を同じ様に食べたとして、人によってその消化のスピード(空腹の度合)は異なります。

【関連記事】→ 相対的に少なく食べているとは?

食べるタイミング
<1日1食で太った友人、1日4食で太った友人>


■私の大学時代のアルバイト先(居酒屋)の仲間は、アルバイト先でのまかない飯だけ(1日1食)で過ごして、高校時代より10キロ近く太りました。

(まかないは、丼ぶり飯におかず単品、味噌汁とかが多かった)

高校時代は実家で過ごし、1日3食たくさん食べても太れなかったそうです(つまりカロリーの問題でも、糖質の量でも、血糖値でもない)。
そしてこれは、世界各地で発生している貧困層での肥満と共通します。

【関連】→ 豊かだから太るのか、貧困が太るのか?

私の飢餓メカニズムの観点から言えば、1日1食が一番太るはずです。
私も何度かトライしましたが、栄養の偏りが気になり、いろんな食品を一度に摂ろうとしてしまいます。またストレスが溜まり間食もしてしまったので、私の場合は続きませんでした。

■また別の友人は、大学受験の浪人時代に1日4~5食で10キロ以上太ったそうです。高校時代は柔道部に属し、たくさん食べていたのにガリガリだったそうです。
しかし注意して頂きたいのは、4~5食が太るのではなくて、何を食べていたのか、どの様に食べていたのか、食べるタイミングが問題なのです。

彼は、勉強しながら手軽に食べれるおにぎりやパン、カップ麺なども1食としてカウントしており、1日の半分以上はこういう食事だったそうです。おにぎり2個でも1食、カップ麺でも1食、たこ焼きでも1食で、それが大半を占めていたとすると回数を議論することは意味がありません。

たこやき
おにぎり
インスタントラーメン

3.回数を増やすことで痩せれる?

(大阪府立大学、今井佐恵子教授とそのグループの研究:産経新聞より)

"何を食べるか" が一番重要であって回数だけでは断言はできないけれど、バランスのとれた食事をしていれば、 ”回数を増やす” ことが痩せるための1つの方法であると考えます。
■この記事は数年前の新聞に出たものですが、糖尿病の患者にクッキーを食後に食べてもらうよりも、間食で食べてもらう方が血糖値が上がりにくくなった、という実験です。

これはおやつ(間食)での実験ですが、そのクッキーをもう少し重たい、チーズやキノコの油炒め、お肉のソテーでもいい訳です。
間違って頂きたくないのは、私は血糖値が上がりにくくなるから「痩せる」と言っているのではありません。(注:血糖値にまつわる病気の改善には有効かも知れません)

空腹をずっと我慢してドカンと食べるよりも、空腹をつくらなく食べることで吸収する力も抑えられ、結果として血糖値が上がりにくくなるのではと考えています。

4.原因と結果が逆になる時

例えば、肥満(肥満ぎみ)の人に調査をして「あなたは毎日何回食べているのですか?」と聞いたとします。
「私は食いしん坊だから、3食以外に軽食を入れると、4回、5回かな~」と、こう答える人が多くいたとしましょう。その集計結果をもって、『4回、5回食べると太る可能性が高い』とは言えないということです。

その理由は、先程も言ったように「何を、どの様に、どのタイミングで食べるのか?」という一番大事な要素が抜け落ちています。回数だけを調査することは無意味です。

■また体が大きくなるにつれて、胃腸も大きくなり、消化する力も強くなって、次の食事まで空腹を我慢しきれなくなる。そしてその結果食べてしまう。
つまり ”多く食べるから太った” のではなく、体が大きいから多く食べてしまうという逆因果(原因と結果が逆になる現象)が存在します。

体の大きな人達が、”腹ペコだったから、結果として4回食べた” という事実をもって、"他のすべての人が4回食事をすれば太るはず” という議論は、全く意味のない議論と言えるでしょう。
要は、1日4回食べて太ったという人と4回食べて痩せたという人がいたとして、回数だけで考えれば表面的には同じに見えます。しかし、その人達が 『どんな空腹状態であったのか?』ということが一番大切です。

【関連記事】→「太った後に、過食し運動しなくなった(怠慢になった)」

   

2018.04.25

夜遅くの食事は本当に太るのか?(時間栄養学)

目次

  1. 私達の体が睡眠中にしていることは?
  2. ビーマルワン(BMAL1)とは?
  3. 消化時間が考慮されているのか?
  4. 夜遅くの食事が太るのは、原因ではなく "結果"

今回は、時間栄養学の3回目です。まだの方は、まずこちらの記事をお読み下さい。

【関連記事】→「いつ食べるか?が重要(時間栄養学と肥満)」

1.私達の体が睡眠中にしていることは?

私達が寝ている間、体は休んでいる訳ではありません。
昼間にできないことを、寝ている間に必至でやってくれているのです。

ここでは詳しくは説明しませんが、大きくは2つと言われています。
一つは脳の中の老廃物の除去や記憶の整理などです。

二つ目は体のメンテナンスや細胞の再生です。
成長ホルモンが分泌されることにより新陳代謝が促され、種々の酵素や骨、筋肉などの組織が作られると言われています。仕事で疲れても、しっかり栄養を摂って寝ると翌日には回復しているのはそのおかげなんですね~

2.ビーマルワン(BMAL1)とは?

当然、体脂肪も寝ている間に多く作られます。
そこで最近注目されているのが、ビーマルワン(BMAL1)という脂肪合成を促進する「時計遺伝子」のタンパク質です。
ビーマルワンの分泌量は、午後時ころから高まり、午後10時から午前時にかけてピークに達するので、”夜遅くに食べると太りやすい” ということの根拠とされているようです。
私はこの話を始めてテレビで聞いた時、「この人達、おかしなことを言っているな・・・」と思いました。

■まず何度も言うように、「太る」という言葉には2つの意味があります。

【関連記事】→「”太る”という言葉の2つの意味」

寝ている間に細胞が再生されるという意味では、成長ホルモンなどの影響で夜の食事が(朝、昼に比べ)太りやすいというのはある意味当然ではないでしょうか。特に普段からカロリーを制限している人が、夜に沢山食べると体重は一気に増えるかもしれません。しかし、それは基本体重(=Base Weight) まで戻ったということです。

しかし、以前は午後6~7時に食べても太らなかったのに、夜の食事が遅くなってから ”以前よりも太った、最高体重を更新した” というのは別問題です〔基本体重それ自体がアップした〕。
この2つの意味が混同されたあげく、ビーマルワンの量といかにも関連があるかのように語られていると思うのです。

3.消化時間が考慮されているのか?

ネット上でこのような投稿を見ました。
「自分で同カロリーのものを摂取時間をいろいろ変えて試したけど、結果は同じ。むしろ寝る前に食べると翌日胃がもたれ、痩せるよ・・・」

私の場合も同じなんです。
3食の他に、寝る前に食べると、寝ている間もずっと胃腸が動くことになり胃に負担がかかってしまいます。すると栄養の吸収率が低下し、蛋白質などの合成が十分できず痩せてしまいます。
きっと "太りたい" と思って夜遅くに食べている人も同じ思いではないでしょうか。

▽結局、夜遅い食事と肥満の関係を、ビーマルワンの値で説明するのは無理があると私は考えています。
なぜなら、『消化時間』 が抜け落ちているからです。

例えば、午後10時に食事を摂れば消化されて吸収されるまでに、また4~5時間かかるでしょう。寝ている間も胃腸が動きっぱなしになってしまいます。
特に脂肪は消化が悪いので、朝でもまだ胃がもたれているということもあるかもしれません。
つまり消化時間が考慮されないまま、”食べた時刻” とビーマルワンの値を関連付けても意味はないと思うのです。

ビーマルワンの値が午後10時から午前2時頃にかけてピークを迎えるのは、私達人間が大昔から暗くなる午後6時前後に夕食を摂っていたとすると、ちょうど消化吸収が落ち着いた頃にピークを迎えるように(うまく合成できるように)なっているのではないでしょうか?(図-2)

4.夜遅くの食事が太るのは、原因ではなく "結果"

夜遅くに食べると全員が太る訳ではないけど、夜遅くに食べるようになってから以前より太ったと感じる人もおられることでしょう~。これは(何度も言うように)、腸の飢餓メカニズムで説明できます。

朝食も摂らずに、昼食で炭水化物や肉類(少しでも可)に偏ったとします。このまま夜の8時、9時まで何も食べないで空腹を我慢している人のほうが(長い目で見ると)太っていきやすいのです(基本体重=BWがアップしやすいという意味)

この場合、夜遅くに食べて太ったのは原因ではなくて『結果』だと言えるでしょう。『原因』は、偏食や夜遅くまで空腹をずっと我慢していることです。

(バランスの良い昼食:弁当)

これを防ぐためには、原因をつくらないことです。
つまり朝食・昼食で、繊維質の野菜や海藻、肉・魚、油脂などバランスよく食品を摂ることが大切です。

もしお腹がすいてたまらないのなら、間食でクッキーや乳製品などでもいいので、お腹に入れておくことです。
お菓子は太るからと敬遠する人がおられますが、普段からこまめに摂っているほうが太りにくくなります(飢餓メカニズムを防げるとので)。
普段から我慢している人ほど、たまに食べる揚げ物や高カロリーなスイーツで ”太った” と言われますが、それも原因ではなく『結果』です。

また夕食が遅い時間になれば、当然、朝食抜きで昼まで食事を食べないという悪循環に陥るかもしれません。
だから、夕食もバランスのとれた食事を心がけることが大切ですし、朝に牛乳やカフェオレ1杯でも飲んだ方がいいのは言うまでもありません。

2018.04.04

朝食は食べても太りにくい、と言われる訳(時間栄養学)

目次

<はじめに>
1."代謝" が魔法の言葉になっていないか?
2.
朝食とダイエットの関係は?(私の考え)

はじめに

前回の記事では「時間栄養学」の基本的な考え方を紹介しましたが、今回は、時間栄養学の「なぜ朝食をしっかり食べると太りにくいのか?」という説明について、私なりの意見を述べたいと思います。
「時間栄養学」の考え方については前回の記事をご覧下さい。

【関連記事】→「いつ食べるか?が重要(時間栄養学と肥満)」

参考文献:「時計遺伝子ダイエット」(2012年)
香川靖雄著(女子栄養大学副学長)

1.”代謝” が魔法の言葉になっていないか?

【代謝】とは?
「外界から取り入れた無機物や有機化合物を基に行われる一連の化学反応のことで、新陳代謝とも言われる。大きく分けて分解と合成の2つがある。」(代謝ガイドブック:霜田幸雄著)

つまり私達が食べる糖質・タンパク質・脂質などを分解、吸収し生体に必要なエネルギーを取り出し、またそのエネルギーを元にタンパク質や脂肪、核酸などを合成していくことです。

(1)まず時間栄養学の説明の中で、「朝食はいくら食べても、代謝がアップするから消費してくれる」というのはどうだろうか?

代謝って、そんなに万能だろうか?
確かに朝食を摂ることで、体温も上がり体の細胞も動き出すだろうが、それは栄養が来たから動き出すのであって、通常の範囲の食事であれば、アップした代謝量が朝食で摂取したカロリーを上回ることはないはず。
少なくとも食べてない人よりは、カロリーの余剰分は多いはずである。

(2)また、「朝食を抜いて代謝が低い時に昼食を沢山食べると、エネルギーに変換できず太る」というのはどうだろうか?

しかも「朝食を食べていれば、すでに代謝が上がっているから昼食はいくら食べても太らない」そうだ。

「代謝が低い時に食べると太る」という主張は、ダイエットをしていた人がリバウンドして以前よりも太る時にも使われるのだが、私にはおかしな理論に聞こえる。

確かに食べ始めは、代謝が低いかもしれないが、食べて30分もすれば体温も上がり体は動きだすのではないだろうか?
朝食だって、寝起きで代謝が低いときに食べるのではないだろうか?

(3)また、「バランスの悪い朝食は末梢細胞のリセットが中途半端で、代謝が完全にスタートしないから太りやすい」というのはどうだろうか?

もちろん、バランスのとれた食事が神経の落ち着きや集中力に影響を与えるのは認める。
しかし、おにぎりだけでも体温は上がるし、エネルギーになるし脳の栄養にもなる。それならどれだけの代謝の差が出るのだろうか?

バランスのとれた食事(例えば 700kcal)は食べても太りにくく、カロリーを減らしたはずのバランスのとれていない食事(カップラーメン:約350kcal)は太りやすいとすると何かがおかしい。

果物

▽また果物や野菜を育てる場合にしても、バランス良く栄養を与えると大きく成長するのが普通ではないだろうか?
それなのにバランス良く栄養を摂ると、代謝がアップしてすべてカロリー消費してくれるというのには違和感がある。

つまり、代謝によって 痩せている人と太っている人を区別しようとすると、すべてのカロリー・栄養が太っている人も痩せている人も同様に吸収されて、痩せている人がすべて分解してエネルギーとして放出していることになる。
なぜそんな無駄な事をするのか?
なぜ余分に摂取できた貴重なエネルギーを蓄えないのか?

2.朝食とダイエットの関係は?(私の考え)

まず時間栄養学の考え方は、ただ単に ”朝食をしっかり食べてもスリムな人の習慣” と ”朝抜きで太りがちな人の習慣” を「代謝」に当てはめただけのような気がする。

時間栄養学と言うのなら「食べる時刻」だけでいい訳だが、それにもかかわらず「バランスの悪い食事は太りやすい」とか、「分食した方が太りにくい」とか、「食べ順」などの概念が組み合わされるのは何故だろう?
それは、私の「腸内飢餓」の理論の方が説明がつく。

【関連記事】→「偏食と不規則な生活が腸内飢餓をつくる(3要素+1)」

  

(1)朝食をバランスよく食べると太りにくい理由

まず私が「朝食をバランスよく食べると太りにくい」という時は、「いろんな食品を摂ることで腸内に未消化の物質が残り、結果として飢餓状態が起こらず『基本体重(Base Weight)』がアップしにくい」ということを意味しています。

朝食は1日のスタートで、朝食を食べると休んでいた胃腸が活発に動き出します。その朝食で、繊維質の野菜、海藻、乳製品、納豆、魚肉製品などいろんな食品を食べておけば、長時間に渡り消化されないものが腸内に残るので、腸内の飢餓状態を防ぐことができます(これは我々の小腸が6~7mと長いためです)

朝食の意義

つまり

  • いつ食べるか(時刻、食事の間隔)
  • 何を食べるか
  • どの様に食べるか

が肥満に影響を及ぼすのは、それが「」の動きと密接に関係があるからです。

元々痩せていて、この様な生活習慣のある人がカロリーなど気にせずに食べても、一生体型が変わりにくいのはその為です。

(2)朝食、昼食を軽くすると太りやすくなる

一方、朝食は食べたとしても太りやすくなる場合があります(基本体重[BW]がアップしやすいという意味です)。
いわゆる 逆三角形型 の食事で、朝・昼は軽くすまして夕食でバランスを摂るというもの。

朝食は簡単なコーヒーとトースト、ゆで卵などで済まし、昼もおにぎりやハンバーガー、カップラーメンなどで済ましたりした場合、(1)で説明したのとは逆に腸内の飢餓状態が生まれやすくなります。

夕食で補完

朝食後に胃腸が動き出すと通常は排便をしますが、すると腸の中には朝食で食べた物しか残らないということになります(この場合、主に炭水化物と良質の蛋白質)。
昼食も簡単な炭水化物中心の食事で、繊維質などが不足すれば、夕食までに飢餓状態ができやすくなるという理由です。

▽つまり朝食は、いろんな食品をバランス良く摂ると太りにくくなりますが、簡単に済ませるとに太りやすくなる場合があるのです。

時間栄養学で言う、「朝食を食べると代謝がアップし、その後何を食べても消費してくれる」という理論は全く当てはまりません。

(3)朝食を抜いて、1日2食で太りやすくなる理由

朝食を抜けば全員が太る訳ではないけど、いくつかの条件が重なれば太りやすくなると考えます。
一番大きいのは、単純に「何を食べるか」ということと、「食べてない(空腹の)時間」の問題です。

1日2食になることで、食事間隔は長くなります。
朝食を抜くとお腹が減り、昼食でコンビニ弁当やラーメンライスのような炭水化物と肉中心のランチになることもあるでしょう~。空腹を満たすことだけで満足し、野菜などの繊維質が不足することがあげられます。

(コンビニ弁当)

(ラーメン、ご飯も欲しいな~)

しかし朝食を食べていないので、腸の中にはその食事しか存在しません。
その状態で夜の8時、9時まで食べないとすると、飢餓状態(すべて消化された状態)ができやすいという理由です
(夜の食事から翌日の昼食にかけても同じことが繰り返されます)。

これは 『食べる量』が違うだけで、(2)の「朝、昼を軽くしたら太りやすくなる」というのと基本的に同じ理屈です。

夜が遅くなるのであれば、夕方5時頃にでも牛乳やチョコレートなど、何かお腹にいれておけば太りにくくなるというのも、飢餓状態が防げるからです。(以上)

※今回は朝食中心に書きましたが、「なぜ夕食が遅くなると太りやすいのか?」という点については以下の記事をご覧下さい。

【関連記事】→「夜遅くの食事は本当に太るのか?(時間栄養学)」

2018.02.11

いつ食べるか?が重要(時間栄養学と肥満)

目次

<プロローグ>
1.『時間栄養学』とは?
2.
私の思うところ

プロローグ

H29/02/07,産経新聞

昨年(H.29)の新聞でこのような記事が紹介されていました。
近年、注目されている「時間栄養学」である。
1日に食べる総カロリーではなく、それより重要なのは
・いつ食べるか?(食事のタイミング)
・何を食べるのか?
・どのように食べるのか?

であるということだ・・・。
結果的にやっている事は、私の理論とも共通する部分が多く共感できる部分もあるのですが、理論的に納得いかない点などがあり、私の「腸内飢餓理論」の観点から時間栄養学を考察してみたいと思います。

1.『時間栄養学』とは?

参考文献:「時計遺伝子ダイエット」(2012年)
香川靖雄著(女子栄養大学副学長)

まずは、時間栄養学の内容を紹介したいと思います。(注:あくまで本の内容で、私の考えとは異なる部分が多々あります。反論は別の投稿でします。)

(1)食べてないのに太る現代

(2012年当時)日本で糖尿病とされる方はおそよ890万人(予備軍も含めると2,210万人)だそうです。
糖尿病が増えてきたのは1970年代です。
そうすると「日本が豊かになり、国民が美味しい物を食べるようになったから」と思われるかも知れませんが、1日の平均エネルギー摂取量は2,210kcal(1970年)から1,849kcal(2010年)に減ってきているのです。
にもかかわらず、糖尿病患者は倍にも増えているのです。同様に肥満も、1975年から2010年の間で日本人の摂取エネルギーは16%も減ったのに中高年の肥満は40%も増加しました。

現代の人はたくさん食べているから太るのではなく、むしろ少ししか食べていないのに太っていくのです。

(2)時計遺伝子の発見

近年の研究により、この不可解な現象が解明されてきました。
1997年のヒト「時計遺伝子(Clock gene)」の発見でした。
ヒトに限らずすべての動植物に1日を25時間とする「概日リズム」がある。

■朝起きて、太陽の光(青の波長)が脳の「中枢時計遺伝子」に伝わると、25時間の「概日リズム」が24時間にリセットされ1日がスタートする。

■しかし内臓は太陽の光を浴びることはありません。
朝食を摂ることで体の隅々まで栄養がいきわたり、細胞一つ一つに備わる「末梢神経遺伝子」に朝が来たことを知らせ、25時間の概日リズムを24時間にリセットしているのです。

(3)栄養も摂取する時間帯で効果が違う

日本では、2008年に栄養・食糧学会で初めて「時間栄養学」という言葉が使われました。
ダイエットに励む人ほど、朝から晩まで頑張って食べる量を減らそうとするが、食べ物やその栄養も摂る時間帯で効果や影響が大きく変わるのです。

■朝の6時から16時までは脂肪合成を促進する時計遺伝子のタンパク質「ビーマルワン」が低下しているので、体脂肪として蓄えづらい。
夜の8時から深夜2時まではビーマルワンがピークに達するので、朝食と同じカロリーをとっても4倍太りやすい。

■また、カルシウムは朝食よりも夜に摂取したほうが、骨粗鬆症などには効果がある。成長ホルモンが出て、骨の形成が促されるからである。

(4)朝食を抜くと太る

■朝食を抜くと「末梢遺伝子」がリセットされないために、細胞一つ一つの代謝がスタートせず、太りやすい体質となる。
朝食をしっかり食べても太らないのは、体温や代謝が上がり、朝食でとった栄養素やカロリーは消費されていくためである。

■朝食を食べて体内時計をリセットしておけば、昼食で摂るカロリーは代謝として使われるので、ボリュウームがあっても体脂肪にはならない。
その反面、朝食を食べていないと、昼に一気に高カロリーな食事が入ってきて、急にエネルギーに変えることができず体脂肪を蓄積しやすい。

■朝食を抜いている人は、成人が摂るべき理想とされるカロリーより500kcalほど足りていないけども、朝食を食べている人に比べ倍も太りやすいのです。つまり現代の私達の生活スタイルが体内の「時計遺伝子」をくるわせ、その結果、一日の総カロリーは減っているのに太っていくのです。

   

(5)何を食べるか?どの様に食べるか?

■最初に野菜などを食べ、その後に肉料理やごはんなどの主菜・主食を食べると血糖値の急激な上昇が防がれ、同じメニューでも太りにくくなる。

■1日に2食などの食生活は、かえって体内に脂肪分が蓄えられる。少しづつ複数回に分けた方がダイエットにはよい。

■夜の8時までには夕食を済ませる(理想は6時)。
夕食が遅くなるときは、主食は夕方6時までに食べておき、おかずを夜9時以降などと「分食」する。(以上)

2.私の思うところ

”太るのは摂取するカロリーの総量”であるという考えが依然として強い中で、このように食べ方(いつ、何を、どの様に)が肥満に大きく影響をもたらしているという事が理解され始めた事は大きな前進だと思います。そして朝食を摂ること、夜更しせずしっかり睡眠をとることが健康面(血糖値)だけでなく学校の成績、集中力、精神安定において重要であることは間違いないと思っています。

しかし、「朝食はいくら食べても代謝されるから太らない」とか「朝しっかり食べれば、昼間はいくら食べても代謝されるから太らない」
などと言われるのには意見が異なります。


何か、代謝が ”魔法の言葉” になっているような気がするのです。

次回から2回に分けて、私の「腸内飢餓理論」に基づいて、「なぜ朝食をしっかり食べると太りにくいのか?」「夕食が遅くなりがちだと何故太りやすいのか?」について説明したいと思います。

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飢餓と相対性で考える、太るメカニズムさんの投稿 2019年10月27日日曜日