— トピックス —
代謝

2018.04.04

バランスの良い朝食で、太りにくくなる理由(時間栄養学)

目次

1."代謝" が魔法の言葉になっていないか?
2.
朝食と体重増加の関係は?(私の考え)

前回の記事では「時間栄養学」の基本的な考え方を紹介しましたが、まだお読みでない方は以下を先にお読みください。

なぜ「いつ食べるのか?」が重要なのか?

今回は、朝食と肥満の関連性について、私なりの意見を述べたいと思います。

参考文献:「時計遺伝子ダイエット」(2012年)
香川靖雄著(女子栄養大学副学長)

1.”代謝” が魔法の言葉になっていないか?

時間栄養学者の(朝食に関する)一般的な理論を簡単にまとめると、次の(1)~(3)ようになります。
私の反論も同時に示したいと思います。

(1)朝食を摂ることで、細胞の「末梢神経遺伝子」に朝が来たことを知らせ、体内時計リセットされる。それにより、体温や代謝が上がり、朝食でとった栄養素やカロリーは消費されていくため、たくさん食べても太らない。また昼食で摂るカロリーも代謝として使われるので、ボリュームのある食事をしても体脂肪にはなりにくい。

反論

代謝って、そんなに万能だろうか?

確かに朝食を摂ることで、体の細胞が動き出し体温や代謝も上がるだろうが、それは栄養が来たから動き出すのであって、通常の範囲の食事であれば、アップした代謝量が朝食で摂取したカロリーを上回ってはいけないはず。

少なくとも朝食を食べてない人よりは、カロリーの余剰分は多いはずである。

(2)朝食を抜くと代謝が低いままで、太りやすい体質となる。昼に一気に高カロリーな食事が入ってきて、急にエネルギーに変えることができず体脂肪を蓄積しやすい。

<反論>

朝食を抜くと代謝は低いままかも知れないが、それは体が無駄な消費を抑えるため低燃費運転にしているからではなかろうか? 昼食を食べて30分もすれば同様に、体温もあがり代謝は上がるのではないだろうか?

朝食だって、寝起きで代謝が低いときに食べるのではないだろうか?

(※朝食を抜いて、空腹のあまり昼を食べ過ぎたり、血糖値が急激に上がるのはまた別の問題と考えたい。)

(3)バランスのとれてない朝食(パンとコーヒー又はおにぎりだけetc)では、末梢神経遺伝子のリセットが中途半端になるため、代謝がきちんとスタートせず、太りやすくなる。おにぎりだけ、パンとコーヒーだけというバランスの悪い朝食では、子供たちの計算能力を測る実験でも、何も食べないのとほぼかわらなかった。

簡単な朝食
<反論>

もちろん、バランスのとれた食事が神経の落ち着きや集中力に影響を与えるのは認める。

しかし、1枚のトーストとハム、コーヒーでも体温は上がるし、脳のエネルギー源にもなる。それならどれだけの代謝の差が出るのだろうか?

実際のところ、「グルコース単体では体内時計は動き出さなかったが ”グルコース+タンパク質" の組み合わせが一番体内時計を動かす」という研究報告もあり、「バランスのとれてない朝食が太りやすい」という説明は不十分だと思う。

(参考文献:「時間栄養学が明らかにした食べ方の法則」古谷彰子著、2014年)

果物

▽また果物や野菜を育てる場合にしても、バランス良く栄養を与えると大きく成長するのが普通ではないだろうか?
それなのにバランス良く栄養を摂ると、代謝がアップして、余分に摂取したカロリーを燃やしてくれるというのには違和感がある。バランスの悪い食事がなぜ太りやすいのかは、私の理論で説明したほうがいい。

2.朝食と体重増加の関係は?(私の考え)

今日において、時間栄養学の考え方は非常に大事だと思いますが、代謝やホルモンだけでは説明できない部分が多々あると思います。
前回の記事でも言ったように、時間栄養学と言うのなら「食べる時刻」だけでいい訳だが、それにもかかわらず「バランスの悪い食事は太りやすい」とか、「分食した方が太りにくい」とか、「食べ順」などの概念が組み合わされるのは何故でしょう?
これは、私の「腸内飢餓理論」で説明した方が理にかなっていると考えています。

【関連記事】偏食と不規則な生活が腸内飢餓をつくる(3要素+1)
  

(1)朝食をバランスよく食べると太りにくい

バランス朝食

朝食は1日のスタートで、朝食を摂ると休んでいた胃腸が活発に動き出します。

その朝食で、乳製品、繊維質の野菜、海藻、豆類、小魚などいろんな食品を食べておけば、十時間前後に渡り消化されないものが腸内に残るので、腸内の飢餓状態を防ぐことができます。これは我々の腸が6~7mと長いためです。

また昼も夜もバランスの良い食事を食べていれば、24時間にわたり何らかの未消化な食べ物が残りやすくなり、基本体重がアップしにくいという意味で、太りにくいのです。

元々スリムか中型体形で、この様な生活習慣のある人がカロリーなど気にせずに食べても、一生体型が変わりにくいのはその為です。

朝食の意義

つまり

  • いつ食べるか
  • 何を食べるか
  • どの様に食べるか

が肥満に影響を及ぼすのは、それがの動きと密接に関係があるからです。

(2)朝食、昼食を軽くすると太りやすくなる

一方、朝食は食べたとしても太りやすくなる場合があります(基本体重[BW]がアップしやすいという意味です)。

いわゆる 逆三角形型 の食事で、朝・昼は軽くすまして夕食でバランスを摂るというもの。

朝食は簡単なコーヒーとトースト、ゆで卵などで済まし、昼もおにぎりやハンバーガー、カップラーメンなどで済ましたりした場合、(1)で説明したのとは逆に腸内の飢餓状態が生まれやすくなります。

夕食で補完

朝食後に胃腸が動き出すと通常は排便をしますが、すると腸の中には朝食で食べた物しか残らないということになります(この場合、主に炭水化物と良質の蛋白質)。

昼食も簡単な炭水化物中心の食事で、繊維質などが不足すれば、夕食までに飢餓状態ができやすくなるという理由です。

▽つまり朝食は、いろんな食品をバランス良く摂ると太りにくくなりますが、簡単に済ませるとに太りやすくなる場合があるのです。

(3)朝食を抜いて、1日2食で太りやすくなる

朝食を抜けば全員が太る訳ではないけど、いくつかの条件が重なれば太りやすくなると考えます。一番大きいのは、単純に「何を食べるか」ということと、「食事の間隔」の問題です。

1日2食になることで、食事間隔は長くなります。夜の9時に夕食を終えるすると、次の昼まで15時間近くも食べないことになります。朝食を抜くとお腹が減るので、多めの炭水化物(ご飯や麺)と肉中心の食事になる人が多いのです。

ボリュームのあるランチ

多くの人は、空腹を満たすことだけで満足し、野菜などの繊維質や他の栄養素が不足することもあるでしょう。

しかし朝食を食べていないので、腸の中には昼食のその食事しか存在しません。その状態で夜の8時、9時まで食べないとすると、飢餓状態(すべて消化された状態)ができやすく、基本体重は長い目でアップしていきやすいのです。

また朝食を抜いて腹ペコの状態で、炭水化物に偏る食事を食べれば血糖値が急激に上がりやすく、インスリンが多く分泌されることが肥満につながると指摘される専門家もおられます。これも一理あると思いますが、いずれにせよ、こういった食事は健康に一番良くないのです。


朝食べる時間がないのであれば、せめて牛乳くらいは飲むとか、又は昼食はご飯少なめでバランスのとれた食事をすること、夜の食事が遅くなるのであれば、夕方5時頃にでも牛乳やナッツなど何か食べておくことで、腸内飢餓状態になるのを防ぐことができます。


※今回は朝食中心に書きましたが、「なぜ遅い夕食が太りやすいのか?」という点については以下の記事をご覧下さい。

 夜遅くの食事は本当に太るのか?(時間栄養学)


2014.07.12

太っている人のほうが、基礎代謝は高かった!

スリムな体を手にいれるための常識として、(日本では)一般的に、「運動で筋肉をつけ、基礎代謝をアップさせれば太りにくい体になる」と言われています。

そうです。基礎代謝による消費カロリーは、一日の消費カロリー全体の60~70%にあたるため、そう言われているのです。(注:仕事の強度により、一日の消費カロリーには差異があります)。

私は痩せているので、これには疑問をもっていましたが数年前にNHKで参考になる番組がありました。
かなり前の放送ですが、
『ためしてガッテン』 ”決定版、こんな簡単に痩せちゃいました SP” (2011年1月5日放送)

ムキムキの「筋肉はつらつチーム」と、ちょっと太めの「痩せられないチーム」の基礎代謝を精密に測定できる研究機関で調べたところ、なんと太目の女性チームのほうが基礎代謝が高いことが判明・・・。
アジアンの隅田さんと馬場園さんの基礎代謝も測ったところ、これも馬場園さんのほうが高かったのです。

実は基礎代謝の中で一番多く占めるのが、脳と内臓(心臓や肝臓)であり、筋肉は20%にすぎないのです。

50gのご飯(約80kcal)を消費しようと思うと、その筋肉量は、実に約2.8kgのお肉に相当します。
痩せる体質になるには相当の筋肉が必要のようですが、これでは筋肉デブになってしまいます。

そもそも基礎代謝とは、"何もしないときの消費エネルギー"なので、筋肉をつけてもあまり関係ないようです。このSPでは、実は痩せている人は小まめに動く人である~ということで、「活動代謝」を増やすことが大切である・・・と締めくくっています。


■ここで、基礎代謝について調べると、一般的な計算方法では、年齢による[基礎代謝基準値] に [体重]をかけたものなので(wikipediaより)、痩せている人のほうが基礎代謝が低くなり、太っている人が高くなります。

※基礎代謝基準値(wikipediaより)
年齢 男性 女性
18~29 24.0 23.6
30~49 22.3 21.7

35歳で50キロと75キロの男性を比較すると、実に500キロカロリー以上も違います。
22.3 × 50キロ=1,115 kcal
22.3 × 75キロ=1,672 kcal


▽もう1つの算出方法は、ハリス-ベネディクト(HBE)という計算方法です。
[男性]
[基礎代謝] (kcal/day)= 66.473+13.7516 [w]+5.0033 [h]-6.7550 [a]
w=体重 (kg), h=身長(cm), a=年齢

これら両方の算式でお分かりの通り、同じ年齢であれば、体重のより重たい人(より太っている人)の方が基礎代謝は高くなります。それだけ体が大きいのだから使うエネルギーも多いはずで、当然と言えば当然です。

もちろん、筋力をつけると、この基礎代謝基準値が若干アップするということなのでしょうが・・・
これから判断すると、”痩せている人の方が太りやすく、太っている人の方が痩せやすい” ということになります。
つまり「基礎代謝が高いから痩せている」という話は根拠に乏しいと言えるでしょう。
  

(「The Obesity Code」医学博士、ジェイソン・ファン著より引用)

肥満の人は自分の代謝量は低いと考えがちだが、実はその逆であることが証明されている。
体重が少ないほど総エネルギー消費量は少ない。やせている被験者の平均エネルギー 消費量は2404キロカロリーだが、肥満の人の平均エネルギー消費量は、運動をあまりしていないにもかかわらず、3244キロカロリーだ。

肥満の人の体は、体重を増やそうとしているのではない。余分なエネルギーを燃やして 減らそうとしている。
ではなぜ、肥満の人は肥満なのだろう? (引用以上)

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