— トピックス —
食べ方(時間栄養、速さ、回数)

2018.11.03

早食いは太るのか? ゆっくり食べると痩せるのか?

目次

<はじめに>
  1. イメージが先行している
  2. 体が大きいから速く食べれる(原因と結果が逆転)
  3. 速く食べるような人の『生活習慣』全般が問題だ
  4. ゆっくり噛んで食べると痩せるのか?
  5. もう一つの推論
<最後に>

余談ですが、「早食い/速食い」 のどちらが正しいのでしょうか?
食べるスピードだから、「速食い」かなと思ってたのですが、慣例的に【ハヤ〇〇】というのは【早】になることが多いらしいです。
しかし、「食べるのが早い」というと、「食べる時刻が早い」という意味になるので、この場合は「速い」を使わせて頂きますね!

はじめに
読者から、「食べるのが速い人が太りやすい、と言われているのはどう説明するのですか?」という問合せのメールを頂いたので、それにお答えしたいと思います。

実のところ、食べるスピードと肥満の関係を説明するのは難しいと感じます。私の理論上(腸内飢餓のメカニズム)では、速く食べると消化が悪くなるので、太ることへは直結はしません。そこで、私なりにいくつかのパターンに分けて考えてみたいと思います。

1.イメージが先行している

まず言いたいのは、”食べる量” の時もそうなんですが、一部の人のイメージだけで「全体」が語られているということです。

食べるのが速くても痩せている人もいるし、食べるのがゆっくりでも太っている人もいるはずだ。しかし何割かの食べるのが速くて、太っている人のイメージ(特に男性)で、「早食い=太る」というように認識されている気がするのです。


確かに、そういう人がいるのも事実だけど、それがなぜ起こるのかも含めて考えなければいけないと思う。

▽まず一般的には、「満腹感が脳に伝達される前に食べ過ぎてしまうから」というのが1つの理由とされています(結局、「食べすぎ、カロリー摂り過ぎ」という考え)。
しかし、いつも満腹を超えるまで食べている訳ではないと思うし、むしろ私のイメージでは、普段は ”さっと食べ終えて他の事(遊び、仕事)をしている” というイメージである。

また「速く食べると血糖値が急激に上がり、インスリンが多く分泌される」ことも原因とも言われていますが、今回はその話には触れないこととします。


■大きくは、次の2つのパターンで説明できると考えます。

(1)原因と結果が逆になっている場合
(2)食べるのが速い人の「食べ物の好み」や生活習慣が影響を与える

2.体が大きいから速く食べれる(原因と結果が逆転)

まず食事の量や回数もそうなんですが、体の大きな人/太っている人に沢山食べる人や、食べるのが速い人が多くいたとしても、それは表面的な見た目の観察でしかないのです。あなたの目の前にいる体の大きな人(太った人)が速く食べた・・・それって、太陽が「東から昇って、西に沈んだ」と言っているのと同じではありませんか?

実際は、地球が逆に回っているのです。

つまり体が大きいから、胃腸も大きく丈夫であり、結果として、多く食べれるし速く食べれるのではないでしょうか?
その人達は、朝食も食べてないかもしれないし、ずっと空腹状態を我慢していたかもしれない。そうであれば、とりあえず速く食べたい、お腹一杯になりたいと思うのも当然です。

依然、芸人のウガンダさんが「カレーライスは飲み物だ」と言っていたけど、それこそ胃腸や消化力が強いからできる芸当だと思います。

つまり原因と結果が逆転しています(逆因果)。

繰り返しになりますが、(「人はなぜ太るのか」ゲーリー・トーベス著)より引用します。

「過食が原因で肥満になる、あるいは過食の結果で肥満になるという専門家たち(大部分だが)は、高校の理系クラスで落第点を取るようなレベルの間違いを犯している。彼らは、私達がなぜ太るのかについて全く何も語らない自然の法則と、私たちが実際に太っている場合におきる現象(過食)を取り上げ、語るべきすべての内容を語っていると思い込んでいる。」(以上)

3.速く食べるような人の 『生活習慣』 全般が問題だ

次に「速く食べる」ことが肥満に結びつくケースです。

しかし、速く食べる事が直接的に太る原因となるのではなく、速く食べるような人の「食べ物の好み」や「生活習慣」そのものが肥満に結びつくと考えます。


これは、私のもつイメージですが、食べることにあまりこだわらない人が多いのではないでしょうか? 例えば・・・

・面倒くさい、早く食べ終えたい。
・栄養バランスに少し無頓着で、とりあえず満腹になればいい。
・お腹が減ってたら食べるけど、時間通りに1日3回食べる訳ではない。
・貰えた物は断らない(美味しそうに食べる)けど、食べ物がなければないで我慢している。


つまりそういう人達は、栄養管理してくれる人がいなければ周りの環境に影響されます。朝食を抜いたり、夜の食事が遅くになったり、生活リズムが乱れがちになるのではと感じます。
つまり『時間』の概念ですね。

また、早くお腹が一杯になりたいために、味わって食べることが少ないのではないでしょうか?

ご飯の他に主菜・副菜、味噌汁などがつく日本の伝統的な食事よりも、すばやく食べれる丼ぶり・ラーメン・カレー・うどんなどの炭水化物の多い食事や、ハンバーグ・から揚げ・ソーセージ・フライなどの食べやすいお肉を選ぶのではないでしょうか?
(いわゆる「早い、安い、旨い」

噛まないから太るのではなく、噛まなくてもいいような柔らかいもの、繊維質の少ないものを食べているのではと推察するのです。(速く食べる人ほど、食物繊維摂取量が少ないという研究結果もあるようです。)

つまり食べ物の『バランス・質』ですね。
そして、食べ物の『バランス・質』と『時間』が組み合わされば、私の言う、腸内飢餓状態もできやすくなってしまいます。

煮魚

それとは逆に、豆、海藻、キノコ、ゴボウなどの野菜を使った伝統的な料理や、骨付き肉(手羽先、スペアリブ)、尾頭付きの焼き魚・煮付けなどを食べれば、必然的にゆっくり食べるのではないでしょうか?

季節の食材を少しづつ味わって食べれば、深い味を感じることができるので、自然とおかずファースト、ご飯は後になるのではないでしょうか?

4.ゆっくり噛んで食べると痩せるのか?

肥満や糖尿病を防ぐには、「ゆっくり噛んで食べることが必要」 とも言われています。しかし、「速さ」だけがクローズアップされた事による明らかな間違いが、「ゆっくり噛んで食べると太りにくい」という一部の人の思い込みです。

おにぎり,ダイエット茶

私がこれまで会った中に、昼食におにぎり(2個くらい)とダイエット系のお茶をよ~く噛んで、20分近くかけて食べている女性が2人いました。

2人とも太っていたので、太りたくないが為にゆっくり噛んで食べていたのだろうけど、その効果はあっただろうかと想像しますね。

私の理論上で言うと、炭水化物だけをゆっくり噛んで食べても、痩せることはないと断言できます(逆に太りやすい)。

『よく噛んでゆっくり食べる』というのは、噛まないといけないような食材を食べるということであり、普段からそういう食べ方をし、3食きっちり食べている人に痩せ習慣の人が多いという事だと思う。

和の惣菜

また『食べ順』があるということは、主菜(メインのおかず)の他に副菜が2種以上あるとか、いろんなおかずを食べるという事です。昔から”三角食べ” が健康のためにもいいと言われていますよね。

しかし、牛丼、カレー、ラーメン、ハンバーガー&ポテトのような食事なら食べ順もないし、それを50回噛んで水分で流し込み、空腹を長時間我慢していれば太りやすくなると想像できる。

5.もう一つの推論

「速く食べる」ことが肥満に結びつく理由として、私の腸内飢餓の理論でもう一つ考えられることがあります。
あくまで私のちょっとした経験に基づいた推測の域を超えないのですが、紹介したいと思います。


例えば、朝食抜きで昼食を摂るなど、12時間以上食べていない時に起こりうるかもしれません。

御飯とおかずを食べる時に、よく噛むと食べ物が混ざり過ぎてしまい、腸に送られた時に十分にミックスされた状態です。

しかし、炭水化物たっぷりの食事をあまり噛まないで、水分で胃に流し込めば、数十分後には炭水化物と水分のみが腸に送られます。昨日に食べた物は直腸の方に便として送り出され、一時的に小腸から大腸にかけてすべて消化されたような瞬間的な飢餓状態ができるのではということです。

こういう食べ方をしていると、血糖値を上げやすいだけでなく、私の理論上も、少しづつ太りやすくなる可能性があります。

最後に

「食べる速さ」は様々な病気にも関係してくると言われているけど、単なるスピードの問題ではなく、必ず食べ物の『バランス・質』と切っては切り離せないと思います。

昔の伝統的な食が崩壊し、忙しい現代人が手っ取り早く食べれるような食事(早い、安い、旨い)ばかりが街中に溢れていることが一番の問題だと思う。

そういう食事は血糖値が上がりやすいだけでなく、輸入野菜(農薬)、食品添加物、ホルモン剤、抗生物質なども多く使われ、いろんな面から健康を害している。

私の実家は農家で、父が手作りの野菜・旬の魚や山菜を食べさせてくれたし、26才から割烹店で修行していたから分かるけど、日本料理はもっと季節の素材に富み、奥行きが深く、食べる楽しみを与えてくれるものだと思う。

今や本当の日本料理は金持ちだけの料理になってしまって、若い人達に好きな和食は何かと聞けば、「ラーメン、とんかつ、カレー、唐揚げ、回転寿司」という答えが返ってくる。つまり庶民レベルでは日本食は崩壊しつつあるのではないだろうか?

地方が廃れて農村から若者がいなくなり、伝統野菜の作り手もいなくなって郷土料理・伝統的な加工食品も消えつつある。若い人がそういった昔からの料理を消費しなければ、この国の農業はいずれ崩壊し、益々、日本の『食』はどこかに行ってしまうのではなかろうか?

「輸入農産物は安いからいい」と思っている人は、もっと高いツケを支払うことになるし、医療費の増加は私達にとっても他人事ではない問題である。そういった、日本の抱える社会全体の問題とも関連があるのではないか?

2018.09.02

食事回数は肥満にどう影響するのか?

目次

  1. "食べる回数" で何が変わるの?
  2. 一日何食が一番太るのか?
  3. 回数を増やすことで痩せれる?
  4. 原因と結果が逆になる時

1."食べる回数" で何が変わるの?

「カロリーの合計が同じなら、食事の回数は関係がない」という専門家もおられますが、私は間違いなく「食べるタイミングや回数は影響する」と断言します。
確かに、カロリーや糖質の摂取量の合計のみが肥満の直接的な原因であるとしたら回数はあまり関係ないのかもしれませんが、私の理論はそれとは違うことは何度も説明している通りです。

▽私は、"太る" という言葉には2つの意味があると言いましたが、まず(a)の部分について説明します。(図参照)

【関連記事】→ ”太る”という言葉の2つの意味

基本体重(Base Weight)そのものがアップするのは空腹(厳密には腸内飢餓)のメカニズムですので、分散して食べるほうが太りにくい傾向にあります。
お腹がすいてきたな~という時に、また胃に食べ物が入ってくるわけですから、胃腸の中には未消化物が残りやすくなる訳です。なので、”太りたい” という人が1日4回、5回食べることはかえって逆効果です。
また "痩せたい" という人が、カロリーを控えるために昼食を抜いたり、朝食を抜いたりして空腹を我慢し、1日2食になるのも逆効果になる可能性が高いと言えます。

(b)の部分について言うと、回数に関係なく、「多く食べると太る」というのは確かかもしれません。
普段ダイエットして空腹を我慢している人は、おやつを食べたりして回数が増えれば一時的に太るかもしれません。それゆえ、また食事を抜いたりして、間違ったダイエットが繰り返されてしまいます。

2.1日何食が一番太るのか?

朝食を抜いたりして、1日2食になると太りやすくなる傾向があるというのは上述した通りです。しかし、1日2食にすると全員が太る訳ではないし、3食・4食にすると全員が痩せる訳ではないです。
回数だけで議論することは無意味です。

飢餓メカニズムの観点から説明すると、食事回数というのは ”食事の間隔” に関わる話であって、それだけで決まる訳ではないのです。
・何を食べるのか?(一番重要な要素)
・どの様に食べるのか?(食べるスピード、噛む回数、水分量)
・回数は同じでも、どのタイミングで食べるのか?

など、他の要因が関わってきます。また全く同じ食事を同じ様に食べたとして、人によってその消化のスピード(空腹の度合)は異なります。

【関連記事】→ 相対的に少なく食べているとは?

食べるタイミング
<1日1食で太った友人、1日4食で太った友人>


■私の大学時代のアルバイト先(居酒屋)の仲間は、アルバイト先でのまかない飯だけ(1日1食)で過ごして、高校時代より10キロ近く太りました。

(まかないは、丼ぶり飯におかず単品、味噌汁とかが多かった)

高校時代は実家で過ごし、1日3食たくさん食べても太れなかったそうです(つまりカロリーの問題でも、糖質の量でも、血糖値でもない)。
そしてこれは、世界各地で発生している貧困層での肥満と共通します。

【関連】→ 豊かだから太るのか、貧困が太るのか?

私の飢餓メカニズムの観点から言えば、1日1食が一番太るはずです。
私も何度かトライしましたが、栄養の偏りが気になり、いろんな食品を一度に摂ろうとしてしまいます。またストレスが溜まり間食もしてしまったので、私の場合は続きませんでした。

■また別の友人は、大学受験の浪人時代に1日4~5食で10キロ以上太ったそうです。高校時代は柔道部に属し、たくさん食べていたのにガリガリだったそうです。
しかし注意して頂きたいのは、4~5食が太るのではなくて、何を食べていたのか、どの様に食べていたのか、食べるタイミングが問題なのです。

彼は、勉強しながら手軽に食べれるおにぎりやパン、カップ麺なども1食としてカウントしており、1日の半分以上はこういう食事だったそうです。おにぎり2個でも1食、カップ麺でも1食、たこ焼きでも1食で、それが大半を占めていたとすると回数を議論することは意味がありません。

たこやき
おにぎり
インスタントラーメン

3.回数を増やすことで痩せれる?

(大阪府立大学、今井佐恵子教授とそのグループの研究:産経新聞より)

"何を食べるか" が一番重要であって回数だけでは断言はできないけれど、バランスのとれた食事をしていれば、 ”回数を増やす” ことが痩せるための1つの方法であると考えます。
■この記事は数年前の新聞に出たものですが、糖尿病の患者にクッキーを食後に食べてもらうよりも、間食で食べてもらう方が血糖値が上がりにくくなった、という実験です。

これはおやつ(間食)での実験ですが、そのクッキーをもう少し重たい、チーズやキノコの油炒め、お肉のソテーでもいい訳です。
間違って頂きたくないのは、私は血糖値が上がりにくくなるから「痩せる」と言っているのではありません。(注:血糖値にまつわる病気の改善には有効かも知れません)

空腹をずっと我慢してドカンと食べるよりも、空腹をつくらなく食べることで吸収する力も抑えられ、結果として血糖値が上がりにくくなるのではと考えています。

4.原因と結果が逆になる時

例えば、肥満(肥満ぎみ)の人に調査をして「あなたは毎日何回食べているのですか?」と聞いたとします。
「私は食いしん坊だから、3食以外に軽食を入れると、4回、5回かな~」と、こう答える人が多くいたとしましょう。その集計結果をもって、『4回、5回食べると太る可能性が高い』とは言えないということです。

その理由は、先程も言ったように「何を、どの様に、どのタイミングで食べるのか?」という一番大事な要素が抜け落ちています。回数だけを調査することは無意味です。

■また体が大きくなるにつれて、胃腸も大きくなり、消化する力も強くなって、次の食事まで空腹を我慢しきれなくなる。そしてその結果食べてしまう。
つまり ”多く食べるから太った” のではなく、体が大きいから多く食べてしまうという逆因果(原因と結果が逆になる現象)が存在します。

体の大きな人達が、”腹ペコだったから、結果として4回食べた” という事実をもって、"他のすべての人が4回食事をすれば太るはず” という議論は、全く意味のない議論と言えるでしょう。
要は、1日4回食べて太ったという人と4回食べて痩せたという人がいたとして、回数だけで考えれば表面的には同じに見えます。しかし、その人達が 『どんな空腹状態であったのか?』ということが一番大切です。

【関連記事】→「太った後に、過食し運動しなくなった(怠慢になった)」

   

2018.04.25

夜遅くの食事は本当に太るのか?(時間栄養学)

目次

  1. 私達の体が睡眠中にしていることは?
  2. ビーマルワン(BMAL1)とは?
  3. 消化時間が考慮されているのか?
  4. 夜遅くの食事が太るのは、原因ではなく "結果"

今回は、時間栄養学の3回目です。まだの方は、まずこちらの記事をお読み下さい。

【関連記事】→「いつ食べるか?が重要(時間栄養学と肥満)」

1.私達の体が睡眠中にしていることは?

私達が寝ている間、体は休んでいる訳ではありません。
昼間にできないことを、寝ている間に必至でやってくれているのです。

ここでは詳しくは説明しませんが、大きくは2つと言われています。
一つは脳の中の老廃物の除去や記憶の整理などです。

二つ目は体のメンテナンスや細胞の再生です。
成長ホルモンが分泌されることにより新陳代謝が促され、種々の酵素や骨、筋肉などの組織が作られると言われています。仕事で疲れても、しっかり栄養を摂って寝ると翌日には回復しているのはそのおかげなんですね~

2.ビーマルワン(BMAL1)とは?

当然、体脂肪も寝ている間に多く作られます。
そこで最近注目されているのが、ビーマルワン(BMAL1)という脂肪合成を促進する「時計遺伝子」のタンパク質です。
ビーマルワンの分泌量は、午後時ころから高まり、午後10時から午前時にかけてピークに達するので、”夜遅くに食べると太りやすい” ということの根拠とされているようです。
私はこの話を始めてテレビで聞いた時、「この人達、おかしなことを言っているな・・・」と思いました。

■まず何度も言うように、「太る」という言葉には2つの意味があります。

【関連記事】→「”太る”という言葉の2つの意味」

寝ている間に細胞が再生されるという意味では、成長ホルモンなどの影響で夜の食事が(朝、昼に比べ)太りやすいというのはある意味当然ではないでしょうか。特に普段からカロリーを制限している人が、夜に沢山食べると体重は一気に増えるかもしれません。しかし、それは基本体重(=Base Weight) まで戻ったということです。

しかし、以前は午後6~7時に食べても太らなかったのに、夜の食事が遅くなってから ”以前よりも太った、最高体重を更新した” というのは別問題です〔基本体重それ自体がアップした〕。
この2つの意味が混同されたあげく、ビーマルワンの量といかにも関連があるかのように語られていると思うのです。

3.消化時間が考慮されているのか?

ネット上でこのような投稿を見ました。
「自分で同カロリーのものを摂取時間をいろいろ変えて試したけど、結果は同じ。むしろ寝る前に食べると翌日胃がもたれ、痩せるよ・・・」

私の場合も同じなんです。
3食の他に、寝る前に食べると、寝ている間もずっと胃腸が動くことになり胃に負担がかかってしまいます。すると栄養の吸収率が低下し、蛋白質などの合成が十分できず痩せてしまいます。
きっと "太りたい" と思って夜遅くに食べている人も同じ思いではないでしょうか。

▽結局、夜遅い食事と肥満の関係を、ビーマルワンの値で説明するのは無理があると私は考えています。
なぜなら、『消化時間』 が抜け落ちているからです。

例えば、午後10時に食事を摂れば消化されて吸収されるまでに、また4~5時間かかるでしょう。寝ている間も胃腸が動きっぱなしになってしまいます。
特に脂肪は消化が悪いので、朝でもまだ胃がもたれているということもあるかもしれません。
つまり消化時間が考慮されないまま、”食べた時刻” とビーマルワンの値を関連付けても意味はないと思うのです。

ビーマルワンの値が午後10時から午前2時頃にかけてピークを迎えるのは、私達人間が大昔から暗くなる午後6時前後に夕食を摂っていたとすると、ちょうど消化吸収が落ち着いた頃にピークを迎えるように(うまく合成できるように)なっているのではないでしょうか?(図-2)

4.夜遅くの食事が太るのは、原因ではなく "結果"

夜遅くに食べると全員が太る訳ではないけど、夜遅くに食べるようになってから以前より太ったと感じる人もおられることでしょう~。これは(何度も言うように)、腸の飢餓メカニズムで説明できます。

朝食も摂らずに、昼食で炭水化物や肉類(少しでも可)に偏ったとします。このまま夜の8時、9時まで何も食べないで空腹を我慢している人のほうが(長い目で見ると)太っていきやすいのです(基本体重=BWがアップしやすいという意味)

この場合、夜遅くに食べて太ったのは原因ではなくて『結果』だと言えるでしょう。『原因』は、偏食や夜遅くまで空腹をずっと我慢していることです。

(バランスの良い昼食:弁当)

これを防ぐためには、原因をつくらないことです。
つまり朝食・昼食で、繊維質の野菜や海藻、肉・魚、油脂などバランスよく食品を摂ることが大切です。

もしお腹がすいてたまらないのなら、間食でクッキーや乳製品などでもいいので、お腹に入れておくことです。
お菓子は太るからと敬遠する人がおられますが、普段からこまめに摂っているほうが太りにくくなります(飢餓メカニズムを防げるとので)。
普段から我慢している人ほど、たまに食べる揚げ物や高カロリーなスイーツで ”太った” と言われますが、それも原因ではなく『結果』です。

また夕食が遅い時間になれば、当然、朝食抜きで昼まで食事を食べないという悪循環に陥るかもしれません。
だから、夕食もバランスのとれた食事を心がけることが大切ですし、朝に牛乳やカフェオレ1杯でも飲んだ方がいいのは言うまでもありません。

2018.04.04

バランスの良い朝食で、太りにくくなる理由(時間栄養学)

目次

1."代謝" が魔法の言葉になっていないか?
2.
朝食と体重増加の関係は?(私の考え)

前回の記事では「時間栄養学」の基本的な考え方を紹介しましたが、まだお読みでない方は以下を先にお読みください。

なぜ「いつ食べるのか?」が重要なのか?

今回は、朝食と肥満の関連性について、私なりの意見を述べたいと思います。

参考文献:「時計遺伝子ダイエット」(2012年)
香川靖雄著(女子栄養大学副学長)

1.”代謝” が魔法の言葉になっていないか?

時間栄養学者の(朝食に関する)一般的な理論を簡単にまとめると、次の(1)~(3)ようになります。
私の反論も同時に示したいと思います。

(1)朝食を摂ることで、細胞の「末梢神経遺伝子」に朝が来たことを知らせ、体内時計リセットされる。それにより、体温や代謝が上がり、朝食でとった栄養素やカロリーは消費されていくため、たくさん食べても太らない。また昼食で摂るカロリーも代謝として使われるので、ボリュームのある食事をしても体脂肪にはなりにくい。

反論

代謝って、そんなに万能だろうか?

確かに朝食を摂ることで、体の細胞が動き出し体温や代謝も上がるだろうが、それは栄養が来たから動き出すのであって、通常の範囲の食事であれば、アップした代謝量が朝食で摂取したカロリーを上回ってはいけないはず。

少なくとも朝食を食べてない人よりは、カロリーの余剰分は多いはずである。

(2)朝食を抜くと代謝が低いままで、太りやすい体質となる。昼に一気に高カロリーな食事が入ってきて、急にエネルギーに変えることができず体脂肪を蓄積しやすい。

<反論>

朝食を抜くと代謝は低いままかも知れないが、それは体が無駄な消費を抑えるため低燃費運転にしているからではなかろうか? 昼食を食べて30分もすれば同様に、体温もあがり代謝は上がるのではないだろうか?

朝食だって、寝起きで代謝が低いときに食べるのではないだろうか?

(※朝食を抜いて、空腹のあまり昼を食べ過ぎたり、血糖値が急激に上がるのはまた別の問題と考えたい。)

(3)バランスのとれてない朝食(パンとコーヒー又はおにぎりだけetc)では、末梢神経遺伝子のリセットが中途半端になるため、代謝がきちんとスタートせず、太りやすくなる。おにぎりだけ、パンとコーヒーだけというバランスの悪い朝食では、子供たちの計算能力を測る実験でも、何も食べないのとほぼかわらなかった。

簡単な朝食
<反論>

もちろん、バランスのとれた食事が神経の落ち着きや集中力に影響を与えるのは認める。

しかし、1枚のトーストとハム、コーヒーでも体温は上がるし、脳のエネルギー源にもなる。それならどれだけの代謝の差が出るのだろうか?

実際のところ、「グルコース単体では体内時計は動き出さなかったが ”グルコース+タンパク質" の組み合わせが一番体内時計を動かす」という研究報告もあり、「バランスのとれてない朝食が太りやすい」という説明は不十分だと思う。

(参考文献:「時間栄養学が明らかにした食べ方の法則」古谷彰子著、2014年)

果物

▽また果物や野菜を育てる場合にしても、バランス良く栄養を与えると大きく成長するのが普通ではないだろうか?
それなのにバランス良く栄養を摂ると、代謝がアップして、余分に摂取したカロリーを燃やしてくれるというのには違和感がある。バランスの悪い食事がなぜ太りやすいのかは、私の理論で説明したほうがいい。

2.朝食と体重増加の関係は?(私の考え)

今日において、時間栄養学の考え方は非常に大事だと思いますが、代謝やホルモンだけでは説明できない部分が多々あると思います。
前回の記事でも言ったように、時間栄養学と言うのなら「食べる時刻」だけでいい訳だが、それにもかかわらず「バランスの悪い食事は太りやすい」とか、「分食した方が太りにくい」とか、「食べ順」などの概念が組み合わされるのは何故でしょう?
これは、私の「腸内飢餓理論」で説明した方が理にかなっていると考えています。

【関連記事】偏食と不規則な生活が腸内飢餓をつくる(3要素+1)
  

(1)朝食をバランスよく食べると太りにくい

バランス朝食

朝食は1日のスタートで、朝食を摂ると休んでいた胃腸が活発に動き出します。

その朝食で、乳製品、繊維質の野菜、海藻、豆類、小魚などいろんな食品を食べておけば、十時間前後に渡り消化されないものが腸内に残るので、腸内の飢餓状態を防ぐことができます。これは我々の腸が6~7mと長いためです。

また昼も夜もバランスの良い食事を食べていれば、24時間にわたり何らかの未消化な食べ物が残りやすくなり、基本体重がアップしにくいという意味で、太りにくいのです。

元々スリムか中型体形で、この様な生活習慣のある人がカロリーなど気にせずに食べても、一生体型が変わりにくいのはその為です。

朝食の意義

つまり

  • いつ食べるか
  • 何を食べるか
  • どの様に食べるか

が肥満に影響を及ぼすのは、それがの動きと密接に関係があるからです。

(2)朝食、昼食を軽くすると太りやすくなる

一方、朝食は食べたとしても太りやすくなる場合があります(基本体重[BW]がアップしやすいという意味です)。

いわゆる 逆三角形型 の食事で、朝・昼は軽くすまして夕食でバランスを摂るというもの。

朝食は簡単なコーヒーとトースト、ゆで卵などで済まし、昼もおにぎりやハンバーガー、カップラーメンなどで済ましたりした場合、(1)で説明したのとは逆に腸内の飢餓状態が生まれやすくなります。

夕食で補完

朝食後に胃腸が動き出すと通常は排便をしますが、すると腸の中には朝食で食べた物しか残らないということになります(この場合、主に炭水化物と良質の蛋白質)。

昼食も簡単な炭水化物中心の食事で、繊維質などが不足すれば、夕食までに飢餓状態ができやすくなるという理由です。

▽つまり朝食は、いろんな食品をバランス良く摂ると太りにくくなりますが、簡単に済ませるとに太りやすくなる場合があるのです。

(3)朝食を抜いて、1日2食で太りやすくなる

朝食を抜けば全員が太る訳ではないけど、いくつかの条件が重なれば太りやすくなると考えます。一番大きいのは、単純に「何を食べるか」ということと、「食事の間隔」の問題です。

1日2食になることで、食事間隔は長くなります。夜の9時に夕食を終えるすると、次の昼まで15時間近くも食べないことになります。朝食を抜くとお腹が減るので、多めの炭水化物(ご飯や麺)と肉中心の食事になる人が多いのです。

ボリュームのあるランチ

多くの人は、空腹を満たすことだけで満足し、野菜などの繊維質や他の栄養素が不足することもあるでしょう。

しかし朝食を食べていないので、腸の中には昼食のその食事しか存在しません。その状態で夜の8時、9時まで食べないとすると、飢餓状態(すべて消化された状態)ができやすく、基本体重は長い目でアップしていきやすいのです。

また朝食を抜いて腹ペコの状態で、炭水化物に偏る食事を食べれば血糖値が急激に上がりやすく、インスリンが多く分泌されることが肥満につながると指摘される専門家もおられます。これも一理あると思いますが、いずれにせよ、こういった食事は健康に一番良くないのです。


朝食べる時間がないのであれば、せめて牛乳くらいは飲むとか、又は昼食はご飯少なめでバランスのとれた食事をすること、夜の食事が遅くなるのであれば、夕方5時頃にでも牛乳やナッツなど何か食べておくことで、腸内飢餓状態になるのを防ぐことができます。


※今回は朝食中心に書きましたが、「なぜ遅い夕食が太りやすいのか?」という点については以下の記事をご覧下さい。

 夜遅くの食事は本当に太るのか?(時間栄養学)


2018.02.11

なぜ「いつ食べるのか?」が重要なのか?(時間栄養学の考え方)

目次

<プロローグ>
1.時間栄養学とは?
2.
私の思うところ

プロローグ

(H29/02/07,産経新聞)

昨年(H.29)の新聞でこのような記事が紹介されていました。近年、注目されている「時間栄養学」である。

1日に食べる総カロリーではなく、それより重要なのは
・いつ食べるか?(食事の時刻)
・何を食べるのか?
・どのように食べるのか?

であるということだ・・・。

結果的にやっている事は、私の理論とも共通する部分が多く共感できる部分もあるのですが、理論的に納得いかない点などがあり、私の腸内飢餓理論の観点から時間栄養学を考察してみたいと思います。

1.時間栄養学とは?

まずは、時間栄養学の内容を紹介したいと思います。
(注:あくまで本の内容で、私の考えとは異なる部分が多々あります。反論は別の投稿でします。)

(参考文献:「時計遺伝子ダイエット」香川靖雄著(女子栄養大学副学長),2012年)

  

(1)食べてないのに太る現代

(2012年当時)日本で糖尿病とされる方はおそよ890万人(予備軍も含めると2,210万人)だそうです。

糖尿病が増えてきたのは1970年代です。
そうすると「日本が豊かになり、国民が美味しい物を食べるようになったから」と思われるかも知れませんが、1日の平均エネルギー摂取量は2,210kcal (1970年)から1,849kcal(2010年)に減ってきているのです。

にもかかわらず、糖尿病患者は倍にも増えているのです。同様に肥満も、1975年から2010年の間で日本人の摂取エネルギーは16%も減ったのに中高年の肥満は40%も増加しました。

現代の人はたくさん食べているから太るのではなく、むしろ少ししか食べていないのに太っていくのです。

(2)時計遺伝子の発見

近年の研究により、この不可解な現象が解明されてきました。1997年のヒト時計遺伝子(Clock gene)の発見でした。

ヒトに限らずすべての動植物に1日を25時間とする「概日リズム」がある。

朝起きて、太陽の光(青の波長)が脳の「中枢時計遺伝子」に伝わると、25時間の「概日リズム」が24時間にリセットされ1日がスタートする。

しかし内臓は太陽の光を浴びることはありません。
朝食を摂ることで体の隅々まで栄養がいきわたり、細胞一つ一つに備わる「末梢神経遺伝子」に朝が来たことを知らせ、25時間の概日リズムを24時間にリセットしているのです。

(3)栄養も摂取する時間帯で効果が違う

日本では、2008年に栄養・食糧学会で初めて「時間栄養学」という言葉が使われました。
ダイエットに励む人ほど、朝から晩まで頑張って食べる量を減らそうとするが、食べ物やその栄養も摂る時間帯で効果や影響が大きく変わるのです。


朝の6時から16時までは脂肪合成を促進する時計遺伝子のタンパク質「ビーマルワン」が低下しているので、体脂肪として蓄えづらい。
夜の8時から深夜2時まではビーマルワンがピークに達するので、朝食と同じカロリーをとっても4倍太りやすい。

また、カルシウムは朝食よりも夜に摂取したほうが、骨粗鬆症などには効果がある。成長ホルモンが出て、骨の形成が促されるからである。

(4)朝食を抜くと太りやすくなる

バランス朝食

朝食を摂ることで、細胞一つ一つに備わる「末梢神経遺伝子」に朝が来たことを知らせ、体内時計がリセットされる。それにより、体温や代謝が上がり、朝食でとった栄養素やカロリーは消費されていくため、たくさん食べても太りにくい。

また昼食で摂るカロリーも代謝として使われるので、ボリュームのある食事をしても体脂肪にはなりにくい。

その反面、朝食を抜くと代謝が低いままで、太りやすい体質となる。昼に一気に高カロリーな食事が入ってきて、急にエネルギーに変えることができず体脂肪を蓄積しやすい。

朝食を抜いている人は、成人が摂るべき理想とされるカロリーより500kcalほど足りていないけども、朝食を食べている人に比べ倍も太りやすいのです。つまり現代の私達の生活スタイルが体内の「時計遺伝子」をくるわせ、その結果、一日の総カロリーは減っているのに太っていくのです。

   

(5)何を食べるか、どの様に食べるか?

血糖値

最初に野菜などを食べ、その後に肉料理やごはんなどの主菜・主食を食べると血糖値の急激な上昇が防がれ、同じメニューでも太りにくくなる。

1日に2食などの食生活は、かえって体内に脂肪分が蓄えられる。少しづつ複数回に分けた方がダイエットにはよい。

夕食が遅くなるときは、主食は夕方6時までに食べておき、おかずを夜9時以降などと分食する。(以上)

2.私の思うところ

太る原因は「摂取カロリーの合計」という考え方が依然として強い中で、このように「いつ、何を、どの様に食べるのか」が肥満の予防やダイエットに影響するという事が理解され出したのは大きな前進だと思います。そして朝食を摂ることやバランスの良い食事が、集中力、体重管理、健康全般において重要であることは間違いないと思っています。


しかし、この理論のおかしな点は、カロリー理論で辻褄の合わない点を、主に「代謝」で説明しようとする点である。これは単に「朝・昼をしっかり食べても痩せている人」と「朝食抜きで太りがちな人」を「代謝」の数値に連動させただけの理論ではないだろうか?

また、「時間栄養学」というように、食事を摂る時刻で太るかどうかが決まるなら、「いつ食べるのか」だけの説明でいいはずである。それなのに、「何を、どの様に食べるのか」が組み合わされるのはおかしく感じる。それは、冒頭でも言ったように、私の腸内飢餓理論の方が的を得ているはずです。

下記のブログで、「なぜバランスの良い朝食が肥満予防につながるのか」について、私の理論に基づいて説明します。

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