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2015.06.27

カロリーを単純合計することに意味はない

<目次>

  1. 人の体はそれほど単純ではない
  2. 単純に合計することに意味のない理由
    (1)~(3)

1.人の体はそれほど単純ではない

一日の摂取カロリーを単純に合計して、(平均的な)消費カロリーと比較し、太った(又は痩せた)かを議論することに意味がないという話をしたいと思います。

食事摂取ガイドラインによれば、日本人の一日に摂取すべきカロリーは、平均的な活動量18才~69歳の男性で、2,000~3,000kcal、女性では1,400~2,400kcalと言われています。もちろん、それは年齢、身長や体重、身体活動量、その他の要因によって変わります。

そして、『あなたの体が必要とするカロリーより多く摂取すれば太り、摂取するカロリーより多くのカロリーを燃やせば痩せる』と言われています。

この理論を基に、テレビなどで栄養士や医師などが、太ってしまった人と痩せている人の違いを説明するときに使うフレーズがこれではないでしょうか?(下図)。

(TVでよく聞く栄養士のフレーズ)

本当にそうなのでしょうか?

一日の摂取カロリーを単純に合計することは、大量調理(給食や老人ホーム)などの場合に、平均的な目安として計算することには意味がありますが、それを一人一人に厳密にあてはめても意味がないし、過体重・肥満という概念においてはまた別の問題です。

2.単純に合計することに意味のない理由・・・

他にも考えられますが、今回は私独自に3つの点を説明したいと思います。

(1)体重が増えるのには、2つのパターンがある

基本体重(BW)に戻る場合(図のb:の矢印)はカロリー値の大小が影響しますが、基本体重(BW)がアップするのは腸の飢餓メカニズムなので、カロリーの絶対値に直接起因しません。

むしろ空腹を長時間にわたり我慢している事、バランスの悪い食事などが太る原因となります。
【関連記事】➡「”太る”という言葉の2つの意味」

よって今回の記事では、グラフの(b)の部分において、摂取カロリーを正確に計算して、どれだけ瘦せたかを議論することに意味があるのか(又はないのか?)を、以下の(2) (3) で説明したいと思います。
既にお気づきかと思いますが、仮に数キロ痩せたとしても、これは一時的な減量方法であり、根本的な肥満の解決方法ではありません。

(2)食べた物の "表示カロリー合計" と 消費カロリーを比較しても仕方ない

「あなたの体が必要とするカロリーより多く摂取すれば太る」:このメッセージは非常に単純であり、ある意味で核心をついているとも言えます。そのため、多くの人はこのアドバイスを信じて疑いさえしません。しかし、この表現は非常に曖昧なため、「体が必要とするカロリー」「摂取するカロリー」という表現を、私達がどの様に理解するかが重要であると考えます。

カロリーに限らず栄養素すべてにおいて、食べたものがすべて消化・吸収できているわけではなく、消化率や吸収率には個人差が大きいと考えます。また表示カロリーは「燃焼熱」から計算されているようですが、体内での反応は胃酸や酵素による化学反応です。

だから、表示されるカロリー値や栄養の数値を鵜呑みにして合計しても余り意味のないことです。本来比較すべきは、腸からの吸収量のはずです。
【関連記事】「吸収量がもっと重要視されるべき」

食べた物と消費量で比較は無理

カロリーを減らしても中々体重が減らないという人は、表示カロリー以上のカロリーを吸収しているだろうし、いくら食べても太れないという人は表示カロリー以下のカロリー、栄養しか吸収できていないと言える。

痩せている人は代謝がいいのではなく、吸収率によって取り込める限界があると考えます。

日本では、『あなたは食べても太らないなんて効率悪いね・・』と言われることがありますが、その通り、効率が悪いのです。これを例えば、量で補おうとしても、相対的に吸収率は低下するので増えません【(3)参照】。

逆に、少量しか食べなくても太ってしまう人(痩せない人)を『水を飲んでも太る体質』と表現することがあります。もちろん水だけで太るというのは大袈裟な表現ですが、それくらい太りやすいという人がいるのも事実で、これも『吸収率』を表した言葉です。

 

(3)吸収率は一定ではなく、空腹や運動で高まる 

痩せたいと思う人は、カロリーを正確に計算し、体重をコントロールしようとします。もちろん初めは少し減るかも知れませんが、思った以上に体重は減らないことに気づくでしょう。

吸収率は、空腹が続く時や運動後に高まります。それとは逆に、空腹でもないのに無理して食べ続けると吸収力は相対的に低下します。いつも同じペースで吸収しているのではなく、腸で調整されているために、その人の現状維持が保たれていると、私は考えます。(また、カロリー摂取量を減らせば代謝量低下するということも実験で証明されています。)

つまり食べる量が減っても、ある程度の範囲であれば、体はできる限り調整しバランスを保とうとするのです。それは体温がいつも36度前後に保たれているかのごとくです。


もう少し具体的に言うと、昼食を抜いて夕食まで我慢したとしても、お腹の中には朝に食べたものが残っており、そこから栄養を摂ろうと体は必死に頑張っているんです。

吸収できる栄養がお腹になければ、体に蓄えられている栄養を一時的に分解して使うこともあるでしょうが、空腹が続けば続くほど夕食を摂ったときの吸収率も高まります。そして、ある程度の範囲内であれば、トータルではその人の恒常性を保つように体は働いているのです。

だから、減らしたカロリー分を毎日合計しても体脂肪はそれほど減らないはずです。

➡昼食のかつ丼(約800kcal)をおにぎり(2個:430kcal)に替えてみると、計算上は単純に-370kcalですが、それは数値上だけのことであり、それを1か月分合計しても意味のないことです。

むしろ、昼から夕食の間に飢餓メカニズムが生じれば、長い目で見ると太る原因(BWのアップ)となることも・・・


▽また逆パターンとして、太りたい人が無理してたくさん食べたとします。お腹も減ってないのに無理して食べても相対的に吸収率は低下します:バーベルなどの激しい筋力トレーニング時はプロテイン・牛乳などを摂ることも必要)

3~4時間かけて消化され胃袋をやっと出て、『これから吸収するぞ・・・』という時に、また胃に別の食べ物が運ばれてくるわけだから、体は『また、食べ物が入ってきたぞ。あれから栄養を摂ればいいや・・・』という風になるわけです。

昔から『空腹こそ最大の栄養』と言われる所以がわかりますね~。吸収率をアップさせるのは『空腹』と『運動』(特に筋肉への負荷運動)なんです。

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