— トピックス —
胃腸(小腸)
2020.05.06
胃下垂の人が太らない、本当の理由
目次
- 胃下垂とは?
- なぜ胃下垂だと太りにくいのか?
1.胃下垂とは?

日本人には胃下垂(いかすい)の人が多いと言われています。
『胃下垂』とは、胃が正常な位置より常に下がっている状態をいい、お腹の壁の脂肪不足や内臓を支える筋肉が低下している痩せ型の人におこると言われています。
症状としては、胃部膨満感や、少量の食事でも満腹感を感じたり、食後の胃のもたれやむかつきを感じることがあります。
私もひどい胃下垂です。普通の人なら、食べるとヘソの上部のお腹が膨れると思いますが、私の場合は、食事をすると骨盤の下がプクッと膨れます。私は、中学生まではガッチリ体型でしたが、バカほど食べ過ぎて痩せた為、胃腸を支える脂肪や筋肉まで減少し、食べた物の重みで胃が垂れ下がったのだと思います。

女子の中には、沢山食べても太らないから「胃下垂になりたい」という人もいるようですが、なぜ胃下垂になると太るのが難しいのか、ということを説明します。
2.なぜ胃下垂だと太りにくいのか?
医師の中には、「痩せているから胃下垂になるのであって、胃下垂だから痩せている(太れない)のではない」と言う方もいます。
しかし、これは完全に間違いです。私に言わせると、「痩せすぎると胃下垂になりやすいし、胃下垂だから太りにくい」と言えます。つまり悪循環というやつです(「絶対的に太らない」という訳ではない)。
▽なぜ太りにくいのかという理由は、私の 『腸内飢餓理論』で説明できます。
胃の蠕動(ぜんどう)運動が低下し、消化が遅れ、食べた物が胃の中に残りやすくなります。痩せすぎの人(症状の重い人)は消化する力も弱いので、胃もたれや満腹感が常にある場合があります。
そして、結果的に腸の中に未消化の食べ物が24時間通して残りやすくなります。
十分に消化できず吸収が低下するというのもあると思いますが、腸の中に常に未消化の食べ物が残る状態では、私の言う、設定体重 (set-point weight)がアップすることはなく、腸の広範囲に渡り未消化の食べ物がある状態は、むしろ痩せる方向に働くのです。

胃下垂で痩せている人が、少しでも太るために、カロリーの高い揚げ物やクッキー、ケーキなどを食べるのは、さらに胃への滞留時間を長くするために逆効果です。
消化がよく栄養のある物を食べ、腹筋などの運動をしていくことで脂肪や筋肉がつき、胃下垂が改善する場合があると考えます。
2016.03.23
腸の『痩せ菌』で太らない??(一日7000kcalでも太らない:NHK)
目次
- 痩せ菌とは?(番組内容紹介)
- 疑問点と反論
- 食べても太らないのは、全くおかしなことではない
1.痩せ菌とは?(番組内容紹介)

NHK「これが体の新常識 若さと美の秘密」より(H28.3.23 19:30~20:45放送)
三宅 智子さん(身長152cm 体重42キロ)
1日7千キロカロリー(一般女性の3.5日分)の食事を毎日摂っても太らないという女性です。(1日1食:夕のみ)
会場中「え~なんで太らないの~」という声
研究者や専門家の中でも、このように食べても太らない人は何故なのかというのは、実は解明されていないとのこと。
東京農工大(私の母校)の木村郁夫 特任准教授によると、この太らないという理由が「腸内細菌」の『痩せ菌』が大きく関与しているとのこと。(ビフィズス菌、バクテロイズ)

通常の人の『痩せ菌』: 50%弱
三宅さん: 70%近い
※ちなみに、フットボールアワーの岩尾さんの『痩せ菌』は50%以上と平均以上でしたが、誰もつっこまず・・・
痩せ菌のつくりだす、短鎖脂肪酸が脂肪の摂り込みを減らすとのことでした。
痩せ菌の大好物は、水溶性の食物繊維。
つまり、水溶性の食物繊維を多く含む食品(ひじき、納豆、わかめ、切り干し大根、オートミール、ゴボウなど)を意識して摂るといいそうです。
2.疑問点と反論
(※以下はこの放送を見ての私の見解です↓↓↓)
私はこの『痩せ菌』なるものにはあまり関心はありませんが、少しコメントさせて頂くと・・・、
一部の人のデータでは全く根拠に乏しいと言えるのではなかろうか?検証は以下の点などについて、数千~数万人の単位で行われるべきではないだろうか?
・痩せている人は全員が『痩せ菌』が多いのか?
・太っている人は全員が『痩せ菌』が少ないのか?(フットボールアワーの岩尾さんは比較的多かった)
これがもし本当だとすると、太っている人の腸内に『痩せ菌』を入れれば痩せるのか?
また逆に痩せている人が『痩せ菌』を減らせば、太ることができるのだろうか?・・・という検証も必要であろう。
また、『痩せ菌』の作り出す短鎖脂肪酸のおかげなのか、それとも「ひじき、納豆、ワカメ、切り干し」などの食物繊維を多く摂っているから痩せ体質なのかも曖昧である。「食物繊維を多く摂ることで、太りにくくなる」 という点では、私の理論とも共通する部分であるが、結果的に短鎖脂肪酸ができた、というのは副産物的なものではないかと私は考える。
3.食べても太らないのは、全くおかしなことではない!
私のブログをすべて読んで頂ければ、”食べても太らない”という人がいることは、全然おかしなことではないのです。
昔から言われる「痩せの大食い」です。
食べた物すべてが吸収されている訳でもないし、そもそも太ること(設定体重がアップすること)自体はカロリーの絶対量に起因しないから、カロリーの摂取量で比較することが視点の間違いであると言えます。
フードファイターと言われる人は、ギャル曽根さん、ジャイアント白田さんをはじめ、昔からたくさんおられますが、ほとんどの方は痩せておられます。多く食べて太っている人、多く食べても太らない人の違いについては(腸内)飢餓メカニズムで説明できます。
2015.03.25
腸内飢餓を加速する3要素(+1)
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目次
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- 偏食と不規則な生活は腸内飢餓を起こりやすくする
- もう一つの重要な要素『+1』とは?
1.偏食と不規則な生活は腸内飢餓を起こりやすくする
今回は「腸内飢餓」の発生原因となりうる3つの要素(プラス 1)についてお話ししたいと思います。
【関連記事】
肥満の多因子性を整理する:腸内飢餓という交絡的視点
日本では、カロリー以外で太る原因として、次のような点がよく挙げられます。

日本では、カロリー以外で太る原因として、次のような点がよく挙げられます。
(a)バランスを欠いた食事
・ファーストフード、ジャンクフード
・糖質(炭水化物)の摂り過ぎ
・野菜不足
(b)生活のリズムの乱れ(不規則な生活)
・夕食が夜遅くになる
・朝食又は昼食を抜く
・間食の頻度や内容
これら以外にも、多くの要因が間接的に近年の肥満の増加に関与している可能性があります。
しかし、複数の要因がどのように組み合わさって、社会全体として体重増加が進んでいくのかについては、必ずしも明確になっていません。
私は、その一つの説明として「腸内飢餓」というメカニズムが関与している可能性があると考えています。
腸内飢餓は、単一の要因だけでは起こりにくく、以下で説明する3つの要素(+1)が同時に重なったときに起こりやすくなります。そのため、ばらばらに見える生活習慣や食事内容が、どのように体重増加につながるのかを理解する手がかりになる可能性があります。
その3つの要素とは、以下のものです。
(1)何を食べるのか?
(2)次の食事までの空腹の時間
(3)その人がもつ消化力の強さ(胃酸、消化酵素など)
(1)何を食べるのか?
【関連ワード】野菜不足、バランスの悪い食事、精製炭水化物、消化の良い蛋白質、(超)加工食品、ファーストフード、ジャンクフード
繊維質を含む食品が不足し、精製された炭水化物(デンプン)と消化の良いタンパク質(少量でも可)に偏った食事は、腸内飢餓を最も引き起こしやすくします。
ダイエットのために脂肪分を控える人は多いですが、食事中の脂肪を少なくすると消化が早まり、腸内飢餓はむしろ起こりやすくなります。
それに対し、野菜、果物、海藻、豆類、乳製品、ナッツ類、加工度の低い肉や魚などを含むバランスの良い食事は、腸内飢餓を起こりにくくします。

(著作者:brgfx/出典:Freepik)
これは、GI値(グリセミックインデックス)の低い食品や加工度の低い食品の摂取が、肥満の予防に有効であるとする考えとも一致します。
摂取カロリー量は直接的には関係なく、量が少なくても、食べた物の「質やバランス」によっては腸内飢餓と認識されることがあります。また、食べるスピード、噛む回数、食事中の水分摂取なども、この要素に影響を与える可能性があります。
【関連記事】
炭水化物が人を太らせる:希薄効果、プッシュアウト効果
(2)次の食事までの空腹の時間
【関連ワード】朝食又は昼食の欠食、遅い夕食、一日二食、間食の頻度
朝食の欠食、夜遅い食事など生活様式の変化によって体重が増加したという人は少なくありません。このような不規則な生活に起因する体重増加の背景には、「食事の間隔」の問題があります。つまり空腹を長時間にわたり我慢していることです。
夜遅い食事が必ずしも体重増加につながるわけではありません。もし食事が夜遅くになるのであれば、夕方にナッツや牛乳、サンドウィッチなど間食して小腹に入れておくことで、腸内飢餓の発生を予防することができます。
(3)その人がもつ消化力の強さ(胃酸、消化酵素など)
【関連ワード】消化力の強さ/弱さ、消化酵素、ホルモン、食欲、胃下垂
同じ食事をしても、胃腸が丈夫で消化能力が高い人は、消化の遅い人に比べて、腸内飢餓が起こりやすくなります。特に、高エネルギー密度の食品が多い現代社会では、たんぱく質や脂質に対する消化能力が、腸内飢餓の発生に大きく影響する可能性があります。
その一方で、胃腸が弱い人や胃下垂の人は、すべての食品を完全に消化すること腸内飢餓の状態をつくること自体が難しい場合もあります。
もし肥満に遺伝的(先天的)な要因があるとすれば、「消化力」や「食欲」を左右する酵素やホルモンの分泌(能力)、受容体の感受性は、大きなウェイトを占めると考えられます(もちろん、これらは後天的な要因によっても変わり得ます)。
2.もう一つの重要な要素「+1」とは?
3要素以外にもう一つ重要な要素を「+1」としましたが、それは「連続性」によって説明できます。
どういうことかというと、今食べ終えた食事だけでなく、「前の食事」や、さらに「その前の食事」で何を食べたかが腸内飢餓の発生に影響します。
例えば、昼食を軽い食事(例:シンプルなハンバーガーとコーヒー)で済ませ、その後、夜の9時まで一切何も食べられなかったとします。
朝食も同様に軽い食事(例:トーストと目玉焼き、マッシュポテト)で済ませている場合、夕刻以降に腸内飢餓が起こる可能性は高くなります。
一方で、朝食で野菜、全粒穀物、海藻、豆、乳製品などをしっかり食べていれば、腸内飢餓のメカニズムは起こりにくくなります(注:もちろん個人差はあります)。

(著作者:brgfx/出典:Freepik)
その理由は、腸の全長が約7〜8m(小腸は約6m)と長く、食べ物が腸全体を通過するまでに、平均して十数時間以上かかるためです。腸内飢餓は腸全体(あるいは小腸のみの可能性もある)で判断されているため、一回の食事だけでなく、「前の食事」やさらに「その前の食事」の影響も受けます。
バランスの良い食事を1日3回とることが肥満の予防につながると考えられているのは、上で説明したことの裏返しでもあるのです。腸が常に適切な質の食物にさらされることが保証され、体が「飢餓状態」と解釈する可能性が低減されるのです。
2014.09.11
「腸内飢餓」の定義:肥満の多因子モデルへの適用
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<目次>
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<はじめに>
1. 腸内飢餓の定義
2. 「多因子性肥満」と腸内飢餓との関連
<はじめに>
進化生物学の観点から見ると、人類や多くの動物は、長い進化の過程で断続的な食糧不足に備える仕組みを発達させてきたと考えられている。食物が豊富に得られる時期は限られていたため、肝臓、骨格筋、脂肪組織などにエネルギーを蓄える能力が選択されてきたと推測される。
この視点から見ると、肥満は単なる「食べ過ぎ」の結果ではなく、身体が飢餓リスクを認識した際にエネルギーを蓄えようとする適応的反応の一形態と捉えることもできる。
「腸内飢餓」という概念は、私たちの身体がどのように「食物の不足」を感知するのかについて、従来の "エネルギー摂取量" に焦点を当てた議論とは異なる、新しい視点を加えるものです。
【関連記事】
なぜ現代人の方が飢餓状態であると体は認識するのか?
1.”腸内飢餓” の定義
このブログでは、摂取した食物が腸管内(注1)で完全に消化された生理的状態を「腸内飢餓」と呼んでいる。この状態では、実際に摂取した食物量やカロリーにかかわらず、未消化物がないことを「食べ物がない」というシグナルとして身体が解釈する。
この状態は、深刻なエネルギー不足や真の食糧不足とは区別しなければならない。これらの極端な状況とは異なり、腸内飢餓は、比較的豊かな社会において、特に食事が消化の良い食べ物(精製炭水化物、消化の早い蛋白質、超加工食品など)(注2)に偏る場合に、通常の生活環境下で生じる可能性がある。
この意味において、腸内飢餓は「現代的な飢餓」の一形態として理解でき、環境中の食糧不足というよりも、腸-脳軸によって媒介される知覚された飢餓(シグナル伝達状態)を表す。
(注1)腸内飢餓は腸全体で認識されるのか、それとも小腸だけなのかは不明です(小腸は「第二の脳」とも呼ばれることがあります)。
(注2)脂質は消化に時間がかかるため、4〜5時間おきに摂取すると腸内飢餓の発生を抑制できる可能性があります(例:地中海料理のオリーブオイル)。しかし、脂肪は消化の過程で微小な液滴に乳化されるため、完全に消化されると腸内には残りません。脂質に対する消化能力が高い人では、特に精製炭水化物と一緒に摂取した場合、腸内飢餓の抑制にはならない場合があります(例:シンプルなハンバーガー、ポテトチップス、ドーナツ)。
【関連記事】脂肪における3つの視点:腸内飢餓の抑制効果
■「食べる量」についての詳細な説明
食べる量が多くても、食事が大部分の精製炭水化物とその他の消化の良い食品(特定の蛋白質、少量の脂質)で構成される場合、1日2食などで空腹が続けば腸内飢餓状態又はそれに極めて近い状態になりえます。
炭水化物は水分と一緒に摂取することで、胃の中で膨らみ(風船効果)、栄養を希薄にし(希薄効果)、その後、胃から腸に勢いよく排出されます(プッシュアウト効果)。
それらの効果が組み合わさって、腸管内で多少の未消化物が残る場合も「完全に消化された状態」と認識される可能性があります。
【関連記事】
炭水化物の特徴:希薄効果、プッシュアウト効果

(様々な炭水化物)
また食べる量が少なくても、食事が同じ様に、消化の良い精製炭水化物や特定の蛋白源で構成されていれば(例:シンプルなハンバーガーやサンドウィッチ、即席麺などの超加工食品)腸内飢餓は引き起こされる可能性があります。
近年のダイエットブームで、減量の為に朝食や昼食を軽く済ましている人もいると思いますが、その様な食事法は長期的に逆効果になる可能性があります。
逆に、繊維質の多い野菜や加工度の低い食品を含むバランスの良い食事を1日3回食べていると、消化されない物質が24時間絶えることなく腸内に残るので、腸内飢餓が引き起こされる可能性は低くなります。
2.「多因子性肥満」と腸内飢餓との関連
近年の肥満の流行は「食べ過ぎや運動不足」によって説明されがちである。
しかし、同じ様な食糧が豊かな環境にいながらも、減量に取り組むことなくスリムな体型を長年維持している人がいる一方、先進国の低所得層や、経済的に豊かとは言えない太平洋の島国でも深刻な肥満が見られる。
このような状況から、肥満は単一の要因では説明できない多因子疾患として位置づけられています[1,2]。
遺伝、食環境、身体活動、腸内環境やホルモンなど、さまざまな要因が相互に関わり、体重調節に影響を与えると考えられている。

(著作・出典:Freepik)
特に、遺伝子が数十年という短いスパンで大きく変化するとは考えにくいため、1970年代以降の生活様式や食品環境の変化が、近年の世界的な肥満の増加に大きく寄与している可能性がある[3]。
腸内飢餓が引き起こされるには、厳密には4つの要因(注1)が重なりあうことが必要であり、遺伝子、環境の変化、生理的要因などの複数要因が交差するところで肥満が発生しやすいことを説明できる可能性がある。
(注1)4つの要因とは、「何を食べるか」、空腹の時間、消化力、連続性である。
【関連記事】腸内飢餓を加速する3要素+1
(1)遺伝的要因
腸内飢餓と関係する遺伝的特性としては、「消化力」や「食欲」を左右する酵素やホルモンの分泌能力・受容体の感受性が挙げられる。特に、蛋白質や脂質をより早く消化できる人種・民族は腸内飢餓を引き起こしやすくなる可能性が高い。これらは後天的な状況(肥満や、減量目的の胃切除手術など)によっても変化する可能性がある。
(2)環境要因
1970年代以降の環境変化として特筆すべき点は、エネルギー密度の上昇そのものよりも、食品の工業化に伴う「消化の良い食品」の増加であると考えられる。精製炭水化物、特定の蛋白質源、超加工食品などがその代表である。
野菜や穀物では、消化されにくい部分が取り除かれ(例:精製穀物)、さらにすり潰しや裏ごし(マッシュポテト、ポタージュスープなど)が行われる。肉や魚もミンチやすり身のような消化されやすい形で摂取されることが増えている。

(著作者 brgfx /出典:Freepik)
これらの食品は、伝統的な低加工食品に比べてより素早く消化吸収される。その結果、体は少ない労力で効率よくエネルギーを獲得でき、さらに空腹感の増加や満腹感の低下に影響を与える可能性がある。
この傾向は先進国だけでなく新興国にも広がっており、精製炭水化物や超加工食品の摂取量の増加と肥満の増加との関連が示唆されている。
【関連記事】
超加工食品の消費量と肥満の関係
<ライフスタイル>
腸内飢餓は「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」(食べ方)にも関係する。
1970年代以降、ライフスタイルの変化に伴って食習慣も劇的に変化した。日本では、伝統的なご飯中心の朝食から、西洋スタイルの朝食(トースト、コーヒー、目玉焼きなど)へと変化しつつある。
また、朝食や昼食を軽く済ませ、摂取カロリーの大半が夕食に偏る傾向も見られる。このような食習慣は、腸内飢餓を引き起こしやすくするかも知れない。その理由は、私たちの腸が約7〜8メートルと長く、摂取した食べ物すべてが腸管内を移動中に完全に消化されてしまう可能性があるためである。
(3)生理的要因
腸内飢餓は腸管処理やホルモン分泌と関連する適応的な生理反応であり、毎日バランス良く食べる人は太りにくいことを証明できる可能性がある。腸内細菌叢(フローラ)とは直接的に関係ないと思われるが、摂取する食品が腸内環境に与える影響は大きい。
バランス良く多様な食品を食べている人は腸内飢餓を誘発する可能性は低くなり、間接的に「腸内細菌叢が良好な人は太りにくい」という関係性が示唆される可能性もある。
<参考文献>
[1]Flores-Dorantes MT, Díaz-López YE, Gutiérrez-Aguilar R. 「肥満と環境および遺伝子の関連性と神経変性疾患および神経発達疾患への影響」. Front Neurosci. 2020 Aug 28;14:863.
[2]Khan MJ et al. 「肥満の病因における腸内細菌叢の役割:提案されたメカニズムと文献のレビュー」. J Obes. 2016;2016:7353642.
[3] ジェイソン・ファン. 2019. The Obesity Code. サンマーク出版. Pages 56-7.

